慶應義塾大学は、椅子の脚の下に敷いたセンサーにより、座っているだけで不整脈を自動的に検知する技術を開発した。椅子に座っている時に取得できるBCG信号から心電図を予測し、心拍を正確に検出することで心拍や心拍変動を捉える。
慶應義塾大学は2022年8月12日、椅子の脚の下に敷いたセンサーにより、座っているだけで不整脈を自動的に検知する技術を開発したと発表した。
使用したセンサーは、椅子に座っている時に取得できるBCG信号(心弾道図)から心電図を予測し、心拍や心拍変動を捉える。それらを正確に抽出することで、不整脈などの心疾患につながる因子を自動で検出する。
その有効性を示すため、健常者13人と不整脈患者1人を対象にした実験を実施。被験者は、センサーを脚の下に敷いた椅子に座ってBCG信号を計測すると同時に、貼り付け型心電図計を装着して心電図も記録した。
安静の状態で10分間計測したところ、健常者と不整脈患者のどちらも心拍を正しく捉えることができた。
実験で使用したのは丸椅子だが、ソファや食卓の椅子などでも使用が可能。センサーのチャンネルは4本の脚それぞれの下に設置しており、少なくとも2つからのデータを使用する。目的によってチャンネル数を変更できる。
今回の成果により、家庭内で起こる心疾患など、さまざまなタイプの心疾患を検知できる可能性があるとしている。
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