シーメンスヘルスケアは、1.5T MRI装置としては初めてヘリウムフリー構造を採用したMRI装置「MAGNETOM Flow」を発売した。電力消費量を最大40%、検査時間は50%削減している。
シーメンスヘルスケアは2024年11月5日、1.5T MRI装置としては初めてヘリウムフリー構造を採用したMRI装置「MAGNETOM Flow(マグネトムフロー)」を発売した。電力消費量が最大40%、検査時間は50%削減している。
MAGNETOM Flowは、同社独自の超電導磁石および冷却技術であるDryCooling Magnetを搭載。これにより、超電導磁石の冷却に必要な液体ヘリウム使用量を最大1500リットル(l)から0.7lまで削減した。冷却装置を密閉することで、装置の稼働に伴う液体ヘリウムの再補充が不要な仕様となっている。
稼働していないときは冷却を自動で停止するEco Power Modeや、一定時間稼働がない場合に自動で省電力モードに移行するEco Gradient Modeなどの省エネ機能を搭載し、従来機と比べて最大で40%の電力消費量削減を達成。クエンチパイプも不要で小型、軽量設計となっている。
被験者が装着するブランケット型コイル「BioMatrix Contour coils」には、コイルの位置情報を自動認識するために新開発のポジションセンサー「BioMatrix Position Sensor」を搭載。AI(人工知能)による撮像位置の自動認識機能と組み合わせることで、1回のタッチ操作で全身撮像のポジショニングが完了する。
さらにAIを用いた画像再構成技術「Deep Resolve」により、空間分解能が2倍にしつつ、撮像時間を50%削減することに成功した。
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