島津製作所は、下水とヒトの2階建てPCR検査システム「京都モデル」の特許について、新型コロナウイルス検査用途での実施権を無償で提供する。個人または法人からの申し込み受け付けを開始した。
島津製作所は2022年8月10日、下水とヒトの2階建てPCR検査システム「京都モデル」の特許について、新型コロナウイルス検査用途での実施権を無償で提供すると発表した。同日より、個人や法人からの申し込みを受け付けている。
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京都モデルは、新型コロナウイルス感染症の発症前から、ふん便にウイルスが排出されていることを利用した検査システムだ。まず、高齢者施設や病院などのトイレ排水を含む下水を検査し、施設利用者にウイルス感染者がいるかどうかを判断する。下水からウイルスが検出された場合は、施設利用者に対してPCR検査を実施して感染者を特定する。無症状者を含む感染者の早期隔離や、感染収束の見極めに役立つ。
開発は、島津製作所の子会社である島津テクノリサーチが担当。京都市を中心とした10以上の施設で、感染状況のモニタリングに有効であることを確認している。
両社は、京都モデルに関して同年2月にビジネスモデル特許などを取得している。今回の無償開放は、島津製作所が参画する「知的財産に関する新型コロナウイルス感染症対策支援宣言」の趣旨にのっとるものだ。無償提供期間は、WHO(世界保健機関)が新型コロナウイルス感染症まん延終結宣言を行う日までとしている。
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