ライオンと東京電機大学は、画像認識AIを用いてニキビの原因菌であるアクネ菌を可視化する技術を開発した。自然光の下で、一般的なカメラを用いて撮影した画像を使用して可視化できる。
ライオンは2025年2月19日、画像認識AI(人工知能)を用いてニキビの原因菌であるアクネ菌を可視化する技術を開発したと発表した。東京電機大学との共同研究による成果だ。
アクネ菌の代謝産物に紫外光を当てると、代謝産物は赤色の蛍光を発する。現在、アクネ菌の可視化には、この発光特性を利用している。今回の新技術は、自然光のみでアクネ菌を可視化することを目的に開発された。
新しい可視化技術は、学習フェーズと利用フェーズの2ステップで構成される。
学習フェーズでは、クルマの自動運転などに用いられる画像認識AIを基に、顔の画像からアクネ菌が存在する場所を自動判定する未学習AIモデルを開発した。次に、未学習AIモデルに自然光で撮影した顔の画像と、紫外光で撮影しアクネ菌の代謝産物を赤く発光させた顔の画像を学習させて学習済みAIモデルを作成した。
利用フェーズでは、自然光で撮影した画像を学習済みAIモデルに入力し、紫外光による撮影を再現した画像を生成した。紫外光で撮影した画像と生成画像の赤色の強さから、アクネ菌の代謝産物をスコア化し比較した。
利用フェーズにおけるスコア化の比較結果から、紫外光で撮影した画像と生成画像中のアクネ菌代謝産物は、相関性があることが確認され、画像認識AIを用いて自然光のみでアクネ菌を可視化できることが示された。
同社は、将来的に同技術をスマートフォンカメラに対応させ、肌の状態やアクネ菌が増殖する兆しを簡便にチェックできるようにすることを目指す。
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