PowerPointのスライド作成で絶対に役立つリンク大全集技術者のための資料作成とプレゼン講座(10)(5/5 ページ)

» 2022年06月06日 08時00分 公開
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コラム:

発表の時に気を付けること。まず服装です。

「プレゼンの内容さえあれば、見た目はどうでも……」というのは正しいです。ここでいう「見た目」とは、資料そのものとしての「見た目」と発表者の「見た目」です。

レイアウトやフォント、配色を工夫して資料としての見た目を良くしたのであれば、それを発表する時の見た目にも配慮すべきです。服装や身だしなみはプレゼンに乗じる「係数」だと思ってください。

次に気を付けたいのが、「えーと」「あのー」のような意味のない接続詞です。

回数にもよりますが、気になりだすと話の内容がアタマに入ってこないくらいに気になるものです。これは話癖なので、そう簡単には改善できません。TVの生中継でプロのレポーターでさえ、意味のない接続詞を使うこともあるので、仕方のないことです。筆者も若い頃の発表では、意味のない接続詞を多用していました。ある時に自分のプレゼンの録画を見て、意味のない接続詞の多さにがくぜんとしました。「これはダメだ……。改善を意識しなければ……」と強く思いました。

改善のステップとしては次の通りです。

まず「意味のない接続詞を完全になくそう」とはしないことです。これは話し言葉のクセなのだからしょうがない、と自分の現状を肯定します。「意味のない接続詞を使う回数を少しでも減らそう」と意識することです。

自分のプレゼン動画を見て、意味のない接続詞が出現するときは、話と話の間であることが分かりました。文章で書けば句点「。」の後です。わずかな沈黙を埋めるために、意味のない接続詞を使っていました。そこで句点を意識し、直後にツバを飲み込むようにしました。わずかな沈黙が生まれますが、聞き手が「あれ?」と思うことで集中力が途切れない、という副次的な効果もありました。

この「沈黙を恐れない」ことを意識することによって、意味のない接続詞はだんだんと減りました。

プレゼン発表時には、ぜひ「たたずまい」と「句点の後の沈黙」を意識してください。


連載の最後に

 プレゼンの資料作りも、プレゼンそのものも“情熱”が核になければ伝わりません。長い間、プレゼンを実践してきて感じることは、脳という臓器は情熱を持たない言葉を通さないようにできている、ということです。暑苦しいほどの情熱があってちょうど良いのです。聞き手に伝わる間に冷めますからね。

 皆さんのより良いプレゼンライフを祈っています! (連載完)

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Profile

栗崎 彰(くりさき あきら)

1958年生まれ。2022年に合同会社ソラボを設立。1983年より、構造解析に従事。I-DEASの開発元である旧SDRC 日本支社、CATIAの開発元であるダッソー・システムズ、サイバネットシステムでシニア・スペシャリストの職を経て現在に至る。多くの企業で3D CADによる設計プロセス改革コンサルティングや、設計者解析の導入支援を行う。特に設計者のための講座「解析工房」が人気。解析における最適なメッシュ・サイズを決定するための「OK法」を共同研究で模索中。


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