栗田工業は、半導体製造工程の洗浄に使用する、高純度な超純水製造用機能材「KR-FM樹脂」が北米市場で採用されたと発表した。超純水製造プロセスに用いる際に微粒子の発塵が少なく、歩留まり向上や安定操業への貢献が期待される。
栗田工業は2022年1月13日、半導体製造工程の洗浄に使用する、高純度な超純水製造用機能材「KR-FM樹脂」が北米市場で採用されたと発表した。これを機に海外展開を加速し、生産効率や製品品質の向上などで半導体産業に貢献する。
半導体の製造工程で使用する洗浄用の超純水は、イオン交換樹脂やUF膜などの機能材を適用した水処理設備で製造される。しかし、従来のイオン交換樹脂から発塵する微粒子は、UF膜で完全に除去するのは難しいという課題があった。
KR-FM樹脂は、三菱ケミカルと共同開発したイオン交換樹脂で、超純水製造プロセスに用いる際、微粒子の発塵が極めて少ないことを特徴とする。これを超純水製造設備に適用することで、製造プロセスで生じる有機物や金属イオン類、微粒子など、超純水の純度に影響を与える不純物を低減できる。
2021年10月には、同技術が評価され、日本イオン交換学会より技術賞を受賞。これまで主に日本を中心とするアジアの顧客に展開してきたが、今回、北米大手半導体メーカーに評価、採用された。同社は今後、半導体産業の生産技術進歩に貢献する製品として、広く海外展開を加速していく。
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