横河電機は、ジルコニア式酸素濃度計/高温湿度計変換器「ZR802G」を発表した。従来製品「ZR402G」が持つ優れた操作性や高い信頼性を継承しつつ、センサーの劣化診断機能とデータログ機能を追加しており、3種の通信規格に準拠する。
横河電機は2021年3月8日、ジルコニア式酸素濃度計/高温湿度計変換器「ZR802G」を発売した。制御関連製品群「OpreX Analyzers」の新製品で、同型の「ZR402G」が持つ優れた操作性や高い信頼性を継承しつつ、センサーの劣化診断機能とデータログ機能を追加し、通信規格を拡充した。
センサーの劣化診断機能では、センサーの抵抗値を機器自体が測定し、結果を離れた場所のオペレーターに通知する。センサーは劣化すると抵抗値が上昇するため、同機能により定期的に抵抗値を測定することで、オペレーターは点検しなくてもセンサーの交換時期を把握できる。測定に校正用ガスを使用せず、ガス補充のための巡回も必要ない。操業への影響を最小限に抑えた、効率的な保全業務が遂行できる。
データログ機能では、エラーやアラームの履歴、センサーの抵抗値のトレンドグラフを画面上に表示させて、異常がないか確認できる。また、SDカードでデータを取り出し、上位機器のデータとの差を調べ、上位機器や通信機器に異常がないかの判断に活用できる。
SDカードには、日時や酸素濃度といった測定値、設定値や校正値などの保守データなどを出力可能で、メンテナンスレポート形式のファイル出力にも対応。現場でのメンテナンスやトラブル分析を効率化する。
通信規格は、HART、Modbus RTU、Modbus TCPの3種類に準拠し、用途に応じて使い分けられる。さらに、センサーの障害を示す信号の発信について定めたNAMUR NE43や、現場計器の自己診断機能についてまとめた要求仕様NAMUR NE107にも準拠する。
石油化学分野における加熱炉や分解炉、各種燃焼炉での燃焼管理、電力分野でのボイラーの燃焼管理、紙パルプ分野の抄紙機の乾燥工程などの用途に適している。
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