凸版印刷は、充てん機や包装機に標準搭載できる、製造支援DXソリューションパッケージの提供を開始した。装置の導入と同時に、IoTで収集した情報を活用し、充てん包装ライン全体の監視や制御、製品ごとのトレーサビリティーが確保できる。
凸版印刷は2021年2月3日、充てん機、包装機に標準搭載できる、製造支援DX(デジタルトランスフォーメーション)ソリューションパッケージの提供を開始した。充てん機、包装機に機能を標準搭載することで、コストを抑えてDXが導入できる。
同社では、デジタルデータを活用して製造現場の生産性を向上する製造支援DXソリューション「NAVINECT」を2019年4月から提供している。今回、同社が包材と合わせて提供している充てん機、包装機にIoT(モノのインターネット)機能を標準搭載し、収集したデータで充てん、包装工程の監視や制御、分析を実行するソリューションを開発。これをNAVINECTのパッケージサービスとして提供する。
同パッケージサービスには、稼働状態や異常予兆の監視を製造現場(エッジ)で稼働する「エッジパッケージ」と、クラウドで中長期的にデータを管理、分析する「クラウドパッケージ」がある。
エッジパッケージでは、稼働状態監視、異常予兆監視、製造履歴参照(トレーサビリティー)、誤投入防止制御の4つの機能を提供する。
稼働状態監視は、生産設備の稼働情報や生産進捗状況を遠隔からリアルタイムでモニタリングできる。異常予兆監視は、各種データの推移をリアルタイム監視するもので、事前に設定した条件から異常を自動検知し、現場のオペレーターに通知する。検知条件は同社のノウハウから設定したもので、初期搭載されており、導入後すぐに利用できる。
製造履歴参照では、各種センサー、アラームの時系列データや、製品の製造履歴情報を参照できるため、迅速かつ高確度で装置停止の原因を特定する。
誤投入防止制御では、投入資材や金型治具のセット位置を使用前に照合し、選定ミスや設置ミスを防止する。また、異常状態の時は装置が運転開始しないようにするインターロック機能で不良品発生を防止する。
これらの機能を有するエッジパッケージの価格は、初期構築費が700万円から、サービス購入価格が1機能あたり34万5000円からとなる。
クラウドパッケージでは、充てん機に標準搭載されたIoT機能で収集した装置データについて、中長期的な変化を可視化し、集計する機能「MIoTASU(ミオタス)」を提供。充てん機のデータはLTE/3Gモバイルデータ通信による安全な通信でクラウドサーバ上に蓄積され、装置の保全活動に役立つよう、5画面100項目以上の情報へと整理、集約される。これらの項目は場所を問わず閲覧可能だ。
クラウドパッケージの初期構築費は260万円から、月額利用料は3万5000円からとなっている。
同パッケージサービスを搭載する充てん機、包装機は、四国化工機、大森機械工業、トッパンテクノが製造する。凸版印刷は今後、他の装置メーカーとも順次連携し、食品、飲料、化学業界の製造DXを進めていく。
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