ABBがパラレルリンクロボットメーカーを買収、食品や飲料業界向けを強化:産業用ロボット
ABBは2020年10月2日、ピックアンドプレース用途に使用されるパラレルリンクロボット(デルタロボット)メーカーであるオランダのCodian Roboticsを買収したことを発表した。
ABBは2020年10月2日、ピックアンドプレース用途に使用されるパラレルリンクロボット(デルタロボット)メーカーであるオランダのCodian Roboticsを買収したことを発表した。
Codian Roboticsのパラレルリンクロボット(クリックで拡大)出典:ABB
Codian Roboticsはオランダのエーデに拠点を置き、従業員数はグローバルで20人。買収は2020年10月1日に署名、締結された。買収価格は非公表としており、Codian Roboticsは今後も直接顧客へのサービス提供を継続するという。
現在、食品・飲料業界で使用されるロボットの多くは、食品に触れることを想定して設計されていないが、Codian Roboticsの製品ポートフォリオには、食品加工を可能にする衛生的な設計が含まれており、ABBとしては、食品・飲料、医薬品、サービスロボット、物流ソリューション向けでの製品領域の拡大を図ることができる。
将来的には、マシンオートメーションとロボット制御を単一のプラットフォームに統合するABBのマシンセントリックロボティクス戦略のもと、ABBとCodian Roboticsの製品ポートフォリオで、幅広いデルタロボットと統合ソリューションを単一のソースから提供できるようにする計画だとしている。
- いまさら聞けない産業用ロボット入門〔前編〕
日本は「ロボット大国」とも呼ばれていますが、その根幹を支えているのが「産業用ロボット」です。それは世界の産業用ロボット市場で圧倒的に日本企業がシェアを握っているからです。では、この産業用ロボットについてあなたはどれくらい知っていますか? 今やあらゆるモノの製造に欠かせない産業用ロボットの本質と基礎を解説します。
- 製造現場での普及を2倍に、ロボット新戦略が目指すロボットと共に働く未来
日本政府が主催する「ロボット革命実現会議」は、ロボット活用の技術的および規制面でのロードマップを示した「ロボット新戦略」を発表した。本稿では、この新戦略の中で示されている「モノづくり」分野への取り組みにフォーカスし、その内容を紹介する。
- ロボット活用拡大のボトルネック、ロボットインテグレーターの現実
あらゆる現場で労働人口不足などが深刻化する中、その解決策としてロボット活用への期待が高まっている。しかし、現実的にはロボットを現場で実装するロボットシステムインテグレーターが不足しており、ロボット活用の裾野が広がらない状況になっている。経済産業省 関東経済産業局がまとめた「ロボットシステムインテグレーターに関する調査結果」の内容をまとめた。
- スマートファクトリー化がなぜこれほど難しいのか、その整理の第一歩
インダストリー4.0やスマートファクトリー化が注目されてから既に5年以上が経過しています。積極的な取り組みを進める製造業がさまざまな実績を残していっているのにかかわらず、取り組みの意欲がすっかり下がってしまった企業も多く存在し2極化が進んでいるように感じています。そこであらためてスマートファクトリーについての考え方を整理し、分かりやすく紹介する。
- エッジは強く上位は緩く結ぶ、“真につながる”スマート工場への道筋が明確に
IoTやAIを活用したスマートファクトリー化への取り組みは広がりを見せている。ただ、スマート工場化の最初の一歩である「見える化」や、製造ラインの部分的な効率化に貢献する「部分最適」にとどまっており、「自律的に最適化した工場」などの実現はまだまだ遠い状況である。特にその前提となる「工場全体のつながる化」へのハードルは高く「道筋が見えない」と懸念する声も多い。そうした中で、2020年はようやく方向性が見えてきそうだ。キーワードは「下は強く、上は緩く結ぶ」である。
- 工場自動化のホワイトスペースを狙え、主戦場は「搬送」と「検査」か
労働力不足が加速する中、人手がかかる作業を低減し省力化を目的とした「自動化」への関心が高まっている。製造現場では以前から「自動化」が進んでいるが、2019年は従来の空白地域の自動化が大きく加速する見込みだ。具体的には「搬送」と「検査」の自動化が広がる。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.