新東工業は、通信デバイスの小型化、高周波化に寄与するアモルファス金属磁性粉末「SAP-D」シリーズを発売した。粒度制御の向上により、2μmを下回る微粒子の安定生産が可能になった。
新東工業は2020年7月28日、通信デバイスの小型化、高周波化に寄与するアモルファス金属磁性粉末「SAP-D」シリーズを発売した。均粒径2μm粉末の量産体制を確立したことで、車載用部品向けの需要に対応する。
同社の金属磁性粉末は、2012年に生産を開始。通信デバイスの小型化や高周波化に対応するため、粉末の微粒化を追求してきた。今回、粒度制御が向上したことで、2μmを下回る微粒子の提供が可能になった。
SAP-Dシリーズは、微粒子かつエネルギー損失が低い特性を持つ。そのため、消費電力の低減や高周波に対応する電子部品、封止材料などでの活用が見込まれる。また、粉末表面への均質コーティング技術により、凝集のない耐食絶縁被膜(膜厚5nm)を形成した粉末の供給にも対応する。
現在、電子部品は、第5世代移動通信システム(5G)や自動車の電動化、自動運転に不可欠な車載用部品向けの需要が拡大している。これらの電子部品の原材料となる金属磁性粉末にも小径化や低損失化、耐食絶縁性などの高い機能性が求められており、数μmレベルの金属磁性粉末と安定生産に対し関心が高まっていた。
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