大阪大学は、マウスを用い、精子が独自の電気を感じる特殊な仕組みを備え、このシステムが精子の運動機能に重要なことを解明した。将来的には、不妊治療への応用も期待される。
大阪大学は2019年11月29日、マウスを用いて、精子が電気を感じる特殊な仕組みを明らかにしたと発表した。他の細胞とは異なる電気信号感知システムを備え、このシステムが精子の運動機能に重要なことを解明。将来的には、不妊治療への応用も期待される。同大学大学院医学系研究科 教授の岡村康司氏らの研究グループによる成果だ。
先行研究では、電位依存性ホスファターゼ(VSP)という電位依存性イオンチャネルとは異なる分子を同定。VSPはホスファターゼ活性と呼ばれる酵素活性を示し、イノシトールリン脂質PIP2という生理活性分子の量を変化させることを明らかにした。
VSPは精子に存在する可能性がマウスで示されていたが、細胞サイズなどによる技術的制約があり、詳細を調べられなかった。今回、技術的改善を図り、精子の電気信号感知システムの研究を前進させた。
実験ではマウスを用い、精子の鞭毛にVSPが存在していることを確認。VSPを欠損した精子ではイノシトールリン脂質の量と分布に変化が生じ、その結果精子の運動能にも異常が生じた。その結果、精子は自らの電気信号を酵素活性へと変換し、運動能の制御を行っていることを解明した。
精子の運動性を高精度かつリアルタイムに算出するAIを開発
線虫を用いて、動物の行動が性的成熟期に変化する仕組みを解明
人の動きから発電する透明かつ伸縮性を持つシートを開発
医療機器メーカーがスイスのMRI技術開発会社を買収
血液1滴から13種類のがんを99%の精度で検出する技術を開発
国際標準化が加速する医療機器サイバーセキュリティ、AI活用の前提条件にCopyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.
医療機器の記事ランキング
コーナーリンク
よく読まれている編集記者コラム