ifLinkオープンコミュニティはユーザーを中心につながるオープンなエコシステム構築を目指し、ユーザーとはIoTレシピの拡大を進め、企業とは連携するモジュールの拡大を進めていく。具体的には、ifLinkを活用し、ユーザーと会員が便利な使い方やアイデアの創出をユーザー起点で発想する「共創コミュニティ」と、会員同士がさまざまなIoT機器、デバイスやWebサービス、アプリケーションなどを相互連携して、つながるモジュールを増やす「開発コミュニティ」の2方向での活動を進める方針だという。
東芝だけの利益を目指すものではないため、2020年3月までに一般社団法人化し、中立的な立場で活動を本格化できるようにするという。加えて、ガバナンス面でも東芝および東芝デジタルソリューションズは1幹事会社という立場となり、他の幹事会社との合議制で運営を進めていく方針を示している。
「とにかく本当の意味でのオープン化を目指すことがIoTには必要だ。より多くの企業に賛同を得て業界や企業の枠を超えて、今までになかったものを作るということが目指す姿である。東芝としての立場だけで収益一辺倒に取り組むわけではない」と島田氏は強調する。
中立性を保つために活動については、会費制を考えているという。組織運営にもかかわる年間360万円の「プレミアム会員」、大企業を想定した年間60万円の「レギュラー会員」、スタートアップ企業などを想定した年間12万円の「ベンチャー会員」、大学や研究機関などを想定した年間3万円の「アカデミック会員」の4種類を用意する計画である。
既に、アルプスアルパイン、京セラ、クレスコ、Global Mobility Service、KDDI、ソフトバンク、ソラコム、デンソー、東京ガスの9社がifLinkオープンコミュニティに賛同を示しており、参加の意思を表明している。島田氏は「この他にも既に多くの企業から関心を得られており2020年3月までには100社の加盟が実現できると考えている」と自信を見せた。
「オープンさ」や「会費制」などでは、東芝そのもののビジネスへの貢献が見えない状況も生まれるが、その点について島田氏は「ifLinkオープンコミュニティ内でニーズの把握や早期の製品化などを実現した後、さらに高度なシステム構築などが必要になったり、量産などで品質などを高度化する必要があったり、ビジネスが生まれればそれに伴うさまざまなニーズが生まれてくると考えている。ただ、そこへつなげることを強く意識してはいない。まずはIoTを展開する上で、世の中に欠けている部分があり、そこを埋めるということを考えてこのコミュニティーを作った」と、まずは企業間連携によるIoT市場の拡大を強力に推し進める考えを示している。
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