ソニーグループは、2025年3月期(2024年度)の連結業績を発表した。ゲーム事業や半導体事業の好調を受け、過去最高益を達成した。
ソニーグループは2025年5月15日、2025年3月期(2024年度)の連結業績を発表した。ゲーム事業や半導体事業の好調を受け過去最高益を達成した。2025年9月に分離予定の金融事業を除いた数値としては、売上高、営業利益、純利益ともに過去最高となる好業績となった。
ソニーグループの2024年度連結業績は、金融事業を含む連結業績では、売上高は前年度比微減の12兆9571億円、営業利益が同16%増の1兆4072億円、税引き前利益が同16%増の1兆4737億円、純利益が同1兆1416億円となっている。売上高は微減となったものの、最終利益は過去最高を達成した。また、金融分野を除いた連結ベースで前年度比7%増の12兆439億円、営業利益は同23%増の1兆2766億円、税引き前利益が同17%増の1兆3432億円、純利益が同19%増の1兆674億円となり、これらは各項目で過去最高を達成している。
ソニーグループ 代表執行役 社長 CEOの十時裕樹氏は「ソニーグループではここ数年エンターテインメントにシフトする方針を明確に進めてきた。映画やゲーム、音楽、アニメのコンテンツやIP拡大、それに向けた戦略的投資、クリエーション技術の開発などに注力し、そのための変革を進めてきた。これらの成果が出たことで好調な業績につながっている」と考えを示している。
G&NS分野では、重視するユーザーエンゲージメントの強化が進み、月間アクティブユーザー数は前年同期比5%増となるなど成長が続いているという。ゲームコンソールの「PS5」の販売も「予定通り」(ソニーグループ CFOの陶琳氏)としており、プラットフォームとしての安定した利益成長に加え、自社制作外のゲームソフトウェア販売増加などが好結果につながった。営業利益は5377億円となり、過去最高の結果となっている。
PS5などのハードウェア製品は、トランプ関税の影響が懸念されているが「PS5は以前は中国での生産が中心だったが、今は米国向けの生産地として4カ所で生産体制を組んでいる。サプライチェーンの複線化に取り組み生産地を確保しているため、動向に応じて対応する」と陶氏は語っている。
イメージセンサーを中心としたイメージング&センシング・ソリューション(I&SS)分野は、為替の好影響に加え、モバイル機器向けイメージセンサーの製品ミックスの改善や販売数量の増加があったことで、増収増益となった。陶氏は「売上高、営業利益ともにこの分野では過去最高となった。第4四半期はモバイル機器向けのイメージセンサーの需要は堅調に推移し、2025年モデルへのデザインインも順調に進んでいる。2025年度(2026年3月期)は円高が進む想定の中でもモバイル機器向けイメージセンサーの大判化の進展などで売上高、利益の成長を期待している。米国関税による発注への影響も今のところは特にない」と述べている。
一方で、テレビやデジタルカメラなどのエンターテインメント・テクノロジー&サービス(ET&S)分野は、テレビやスマートフォンで減収となったものの、為替の好影響やオペレーション費用の削減などで、減収増益となった。陶氏は「2025年度は関税リスクもあり、保守的な運営を進める」と方向性を説明する。
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