資生堂は、太陽などの熱を利用して、日焼け止めの紫外線防御効果を高める技術を世界で初めて開発した。日焼け止めに含まれる熱エネルギーセンサーが熱を感知すると、紫外線防御成分とともに膜内で均一に広がり、防御効果を効率よく発揮する。
資生堂は2019年10月7日、太陽などの熱を利用して、日焼け止めの紫外線防御効果を高める技術を開発したと発表した。
日焼け止めの紫外線防御成分が効率よく効果を発揮するには、成分が均一な状態であることが望ましいが、分子レベルである紫外線防御成分を均一に塗布することは難しい。
資生堂の調査によると、晴れた日に屋外で太陽に当たると人の体表温度は数分で約40℃に達する。そこで、太陽などから得られる熱エネルギーに着目し、このエネルギーを成分の均一性向上に利用する方法を見出した。日焼け止めに含まれる熱エネルギーセンサーが熱を感知すると、紫外線防御成分とともに膜内で均一に広がり、整った状態を維持する。
同技術の紫外線防御効果を紫外線吸光度で確認したところ、加温前を100%とした場合、37℃に加温したサンプルの吸光度は約120%で、防御効果が向上していた。
同社では、同技術を2020年春発売の日焼け止め製品から順次応用していく。
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