日本アビオニクスは、銅やアルミニウムの安定溶接ができる「ファイバーレーザー溶接システム」をパッケージ化して発売した。深い溶け込みが必要な封止溶接、キーホール溶接に対応し、微小な部材や反射率の高いアルミ、銅を高品質に溶接できる。
日本アビオニクスは2019年6月13日、銅やアルミニウムの安定溶接ができる「ファイバーレーザー溶接システム」をパッケージ化して発売した。「LW-S500(レーザー出力500W」「LW-S1000(同1000W)」「LW-S1500(同1500W)」の3機種で、システム化により、同社従来品の3分の2の価格で提供する。
同システムは、「シングルモードファイバーレーザー(発振機+トランス)」「ガルバノスキャナー+コントローラー」「同軸カメラ」「チラーユニット」で構成される。これまでのレーザーでは難しかった、微小な部材や反射率の高いアルミ、銅を高品質に溶接できる。
集光性に優れ、ビーム品質とエネルギー密度が高いシングルモードファイバーレーザーと、デジタル制御で位置ズレを抑える、高速高精度のガルバノスキャナーを組み合わせることで、安定した溶接が可能になる。また、溶接の位置や状態を同軸カメラで確認できるため、溶接品質の向上に貢献する。
シングルモードファイバーレーザーは、溶け込みが細くて深いことから、封止溶接やキーホール溶接にも対応する。さらに、ガルバノスキャナーのスパイラル(うず巻き)やサーキュラ(円弧を描きながらの横移動)の走査を組み合わせることで、ビード幅が最適化でき、接合強度を高める。ガルバノスキャナーは、発振機から出力する高品質なレーザーを波形制御しつつ高速走査するため、溶接の熱ひずみが少なく、近隣部品への熱ダメージを軽減。シーム溶接などの封止溶接にも対応する。
さらに、シングルモードファイバーレーザー溶接機のビームは、光の広がりを抑えて長い照射距離に対しても細いビーム径を維持するため、370mm以上の長いワークディスタンスや広い溶接エリア(150×150mm)に対応し、大型のワークも溶接できる。
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