鍛圧機械や塑性加工技術の総合展示会「MF-Tokyo 2017第5回プレス・板金・フォーミング展」の記念講演に最新レーザー技術研究センター 代表取締役の沓名宗春氏が登壇。「レーザー加工の金型およびCFRPへの応用」をテーマにレーザー加工の特徴や今後の課題などを紹介した。
鍛圧機械や塑性加工技術の総合展示会「MF-Tokyo 2017第5回プレス・板金・フォーミング展」(2017年7月12日〜15日、東京ビッグサイト)の記念講演に最新レーザー技術研究センター 代表取締役の沓名宗春氏が登壇。「レーザー加工の金型およびCFRPへの応用」をテーマにレーザー加工の特徴や今後の課題などを紹介した。
沓名氏は元名古屋大学教授。現在は、レーザー技術、溶接技術、材料加工技術ならびに生産技術に関する研究開発の受託業務などを請け負う、最新レーザー技術研究センター(愛知県安城市)の代表者として活躍している。
沓名氏によるとレーザーの歴史は1960年7月7日に米国でルビーレーザーが開発された時から始まる。以後、レーザーは技術的応用が拡大が進み、21世紀に入ってからは、通信、生産、医療、資料作成、事務などその用途は大きく広がった。沓名氏は、レーザー開発100年となる2060年には「レーザーの応用は創造を絶するものがある」と予見する。
レーザー(LASER)とは「Light Amplification by Stimulated Emission of Radiation(日本語の意味は誘導放出による光の増幅)」の頭文字を取った造語である。この人工の光を使うことによって、現在は主に以下の11の用途で利用されているという。
レーザーの用途の1つとして工場で身近な存在がレーザー加工法である。用途としては、溶接、切断、表面加工、マーキング、微細加工などで、エネルギー密度が高いことから、高効率で高速加工が可能な点が特徴である。さらに、小入熱、低歪加工で高精度化に適している。非接触で加工が可能である点も優れた点だ。微細で精密な加工にも適した熱源となっており「髪の毛に自分の名前を加工することもできる」と沓名氏は強調した。電子ビーム溶接と比較した場合では、大気中で利用でき、ビーム偏向がなく、FA化や高速化に適している点なども利点だとしている。
なお、主な加工用レーザー(1995年以降の最新レーザー装置)は、半導体レーザー(LD)、LD励起YAGレーザー、ディスクレーザー、ファイバーレーザー、エキシマレーザー、超短パルスレーザー、波長可変レーザーなど、波長によって分けられる。
金属へのレーザー加工の応用について見てみると、金型の直接造形(3Dプリンタ)や肉盛・補修、さらに表面改質(摺動面のレーザー処理など)に用いられる。また、レーザークリーニング、レーザーマーキング、レーザー穴開けなど利用範囲は広がってきた。
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