日立製作所は、半導体の製造において10nm以下の欠陥を検出できる画像処理技術を開発した。機械学習を活用し、検出感度を回路レイアウトに応じて調整することで、微小欠陥を効率的に検査できる。
日立製作所は2025年2月27日、半導体の製造において10nm以下の欠陥を検出できる画像処理技術を開発したと発表した。
新たな画像処理技術は、機械学習を活用し、検出感度を回路レイアウトに応じて調整することで、10nm以下の微小欠陥を効率的に検査できる。走査型電子顕微鏡(SEM)で撮像した画像から、評価用サンプルに含まれる微小欠陥を高感度に検出できることを確認した。
事前学習として、良品画像にノイズを加えた劣化画像のデータを多数生成し、そこから良品画像の再構成に有効なデータの特徴を機械学習させる。実際の検査では、欠陥を含む画像から自動で再構成した良品画像を再構成前後の画像と比較することで、数画素レベルの微小な欠陥を検出する。
検出する欠陥が微小化したことで、欠陥ではない製造ばらつきと判別しにくくなり、過検出が発生するという課題がある。この課題を解決すべく、同社は回路パターンのレイアウトを機械学習で分類する技術を開発した。
レイアウトに応じて検出感度を調整することで、特定の回路パターン上で生じる過検出の低減に成功。評価用サンプルで評価したところ、欠陥と製造ばらつきを正確に判別して、過検出を90%以上抑制できた。
同技術は、欠陥検査の高感度化ニーズが高まっている半導体業界において、半導体の品質管理と生産効率の向上に貢献する。
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