日清製粉が岡山県倉敷市の臨海部で建設を進めていた「水島工場」が完成し、本格稼働を開始した。IoTやAI、ロボットなどを駆使した最新鋭のスマートファクトリーで、業務用小麦粉を生産する。
日清製粉は2025年5月26日、2023年5月より岡山県倉敷市の臨海部で建設を進めていた「水島工場」が完成し、本格稼働を開始したと発表した。
総工費は約180億円で、業務用小麦粉を生産する。1日当たりの小麦挽砕能力は2ラインで550トン(t)、小麦粉サイロ収容力は4200t、立体自動倉庫収容力は20万袋(1袋25kgで5000t)の設備能力を持つ。
同工場は、IoT(モノのインターネット)やAI(人工知能)、ロボットなどを駆使した最新鋭のスマートファクトリーとなる。生産ラインの調整、副資材や製品の搬送、データ収集および分析、生産計画策定など、広範囲な業務を自動化した。
数年以内に、一定時間の無人オペレーションが可能な工場を目指している。将来的には、実装した技術を国内外の工場にも展開し、全社的に生産性を20%以上向上することを目標としている。
太陽光発電設備や省エネ設備、非化石証書により、使用電力の100%を実質再生可能エネルギー化し、カーボンニュートラル工場として脱炭素社会にも寄与する。また、サステナブルな工場として安全、安心への取り組みを徹底し、地震や液状化、高潮などに対するBCP(事業継続計画)対策も実施している。
同工場は「国際バルク戦略港湾」である水島港の主要サイロの1つである瀬戸埠頭に隣接する。大型船が直接接岸可能で、原料小麦を効率的に調達できる。また、高速道路が近く、顧客にも小麦粉を迅速に届けられる。
同工場の稼働により、内陸部にある岡山工場(岡山県岡山市)と坂出工場(香川県坂出市)はそれぞれ同年7月と9月に閉鎖を予定。これにより、中四国地区の臨海大型工場への生産集約が完了する。
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