パーソル総合研究所が「ワーキングマザー調査」の結果を発表した。ワークライフバランスがとれていない正社員女性の49.1%が、仕事量の調整希望を上司に「伝えていない」と回答した。
パーソル総合研究所は2019年6月19日、「ワーキングマザー調査 離職編」の結果を発表した。
同調査は、子どもがいる20〜59歳の正社員女性と正社員を辞めた女性、そしてそれぞれの配偶者、上司、同僚を対象としたもので、2100人から有効回答を得た。
始めに、正社員を辞めた女性に出産前の思いを尋ねたところ、「出産後も働き続けたかった」と59.3%が回答した。一方、「出産を機に(仕事を)辞めたかった」と答えた専業主婦志向の人は20.0%だった。
正社員を辞めた後の状況については、小学生以下の子どもを持つ人の47.0%が「パート、アルバイトとして働いている」と回答。「働いていない」は38.0%だった。
「正社員を辞めた理由」は、退職時の第一子の年齢によって違いが見られる。
離職時に子どもが3歳未満だった人が多く挙げた理由は「家族、親族の家事育児サポートが不十分」(39.9%)だった。3歳未満の子どもを持つ女性に夫の家事育児時間を尋ねると、就業を継続できている女性は「2時間10分」、正社員を辞めた女性は「1時間16分(離職時)」と1時間近くの差があった。
子どもが3〜6歳(未就学児)だった時の離職理由は、「職場で迷惑を掛けているので肩身が狭い」(50.9%)、「子育てをしながら働くことへの職場の理解が乏しい」(47.2%)が多かった。
離職時に子どもが小学生だった人は、「子どもの成長を身近で見ることができない」(60.7%)、「子どもの精神的ケアが不十分」(50.0%)、「子どもに十分な教育ができない」(39.3%)といった理由が多かった。
次に、就業継続者と離職者のワークライフバランスの差を調べた。その結果、「ワークライフバランスがとれている」と回答した割合は、就業継続者が49.7%だったのに対し、離職者は26.7%で、23.0ポイントの差があった。
ワークライフバランスに影響を及ぼす要因の上位3項目は、「仕事と家庭の両立に対する理解がある」「1人当たりの仕事の量が適切である」「仕事の範囲ややり方を自分で決めることができる」だった。
また、ワークライフバランスがとれていない正社員女性に、どのくらいの頻度で上司に仕事量の調整希望を伝えているか尋ねたところ、最多回答は「伝えていない」で、49.1%を占めた。次いで「年に1回以下」が22.7%、「四半期に1回以上」「半期に1回程度」がそれぞれ14.1%という結果だった。
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