東京大学とAIメディカルサービスは、AIを活用し、小腸カプセル内視鏡画像からびらんやかいようなど、粘膜傷害を高精度で自動検出する内視鏡画像診断支援システムを開発した。
東京大学は2018年10月26日、AIメディカルサービスと共同で、AI(人工知能)を活用し、小腸カプセル内視鏡画像からびらんやかいようなど、粘膜傷害を高精度で自動検出する内視鏡画像診断支援システムを開発したと発表した。本成果は、同大医学部附属病院消化器内科 教授の小池和彦氏らの研究グループによるものだ。
機械学習では、AIに覚えさせる内視鏡画像(教育用データ)が高品質で十分な量であることが重要だ。今回は5360枚の小腸びらん、かいよう画像を準備し、その画像から熟練の内視鏡医が質の高い内視鏡画像を選別し、教育用データを作成。そのデータをAIメディカルサービスが開発したニューラルネットワークによる深層学習システムに導入し、学習させることで、本システムを開発した。
次に、1万440枚の内視鏡画像を用いて本システムを検証。画像解析は233秒という短時間で行われ、これらの画像から91%の精度でびらんやかいようを正診できた。感度、特異度、正確度はそれぞれ、88%、91%、91%だった。さらには、読影医が正常小腸と判断していた1万画像のうち、3画像内にびらんを新たに見つけ、病変見逃しの防止につながる可能性も示した。
今後は、検出精度の向上や粘膜傷害以外の病変の検出といった応用を進め、小腸病変検出を支援するカプセル内視鏡診断支援システムの実用化を目指すという。
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