オウケイウェイヴと診エテック、慶應義塾大学は、眼科疾患の診断を支援するAIスクリーニングプログラムの開発を進めている。同プログラムを、眼科医師の業務負担軽減や、眼科のない自治体での診断に活用する。
オウケイウェイヴは2018年2月13日、慶應義塾大学の協力の下、診エテック(MieTech)が、眼底写真を用いた眼科疾患の診断をAI(人工知能)によって支援するスクリーニングプログラムの開発を進めていると発表した。慶應義塾大学からは、医学部眼科教室 教授の坪田一男氏らが協力している。
診エテックは2017年3月、眼の疾患を予防する目的で設立。現在は、AIの開発や近視抑制グッズの販売をしている。3者が開発を進めるスクリーニングプログラムでは、画像処理した約9400点の眼底写真をAIに深層学習させ、医師による診断結果を用いて調整した学習モデルを使用している。現在、判定の精度や内容を向上し、健康な状況の眼底写真であるかを判別できる段階となった。
このプログラムを用いて、眼科医師のスクリーニングをサポートし、業務負担の軽減を目指す。また、眼科のない自治体でも、AIを活用することで、眼科以外の診療科による眼科疾患の早期発見や眼科への紹介を可能にしていく。
他に、検診センターとの連携による眼科疾患の早期発見、医療の提供体制が整っていない海外の医療への貢献、糖尿病性の眼の症状から眼以外の病気を発見できるような研究開発など、さまざまなAIの活用を挙げている。
2016年度の調査では、全国の市町村1718自治体のうち、682の自治体に眼科医がいないなど、医師不足や医師の偏在が社会問題になっている。一方、エアコンの使用やPC、スマートフォンの利用拡大、コンタクトレンズ装用者の増加などにより、ドライアイ患者が増えており、視力回復手術への関心も高まっている。また、さらなる高齢化により眼科疾患にかかる高齢者数の増加が考えられるなど、同研究開発の背景には、眼にまつわるさまざまな問題がある。
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