神戸大学と慶應義塾大学の研究グループは、先天性疾患である長島型掌蹠角化症における足の独特な臭気の原因菌を特定し、殺菌薬の過酸化ベンゾイル外用が有効であることを明らかにした。
慶應義塾大学は2026年1月22日、日本に約1万人の患者がいる長島型掌蹠角化症において、足の臭気の原因を解明したと発表した。さらに、ニキビ治療に用いられる殺菌薬の過酸化ベンゾイル外用により原因菌が大幅に減少し、臭気が著明に改善することが分かった。神戸大学らとの共同研究による成果だ。
長島型掌蹠角化症は、遺伝子の変化を原因とする疾患で、手足の皮膚の赤みや角質の肥厚、多汗、独特な足の臭気などの症状を伴う。独特な臭気は患者の大きな悩みとなっているが、これまで臭いを抑える効果的な治療法は存在しなかった。
患者の皮膚表面の細菌DNAを詳細に解析したところ、長島型掌蹠角化症の足の皮膚で、表皮ブドウ球菌とコリネバクテリウムが異常増殖していることが明らかとなった。またこの部位では、足が強く臭うことも確認した。
そこで実験において過酸化ベンゾイルを連日外用することで、コリネバクテリウムの菌数が大幅に減少し、足の臭いも顕著に減少した。患者によっては、足の臭気がほぼ消失するほどの改善もみられた。コリネバクテリウムは同薬剤への感受性が高く、この菌が産生する代謝物が臭気の主因であることが示唆された。
掌蹠角化症には10種類以上の病型が存在する。今回の治療法は他の型の掌蹠角化症に伴う足の臭い改善にも応用できる可能性がある。今後は、臭いの原因となる具体的な代謝物の特定を進めるとともに、より広範な皮膚疾患への展開が期待される。
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