e-F@ctoryコンセプトの新工場完成、IoT活用で売上高120億円へ:工場ニュース
三菱電機は、香川県の受配電システム製作所にIoTなどを活用した「真空バルブ・遮断器工場」を竣工した。「e-F@ctoryコンセプト」を導入し、部品製造から組み立て・出荷まで一貫した製造ラインを構築する。
三菱電機は2018年2月20日、受配電システム製作所(香川県丸亀市)にIoT(モノのインターネット)などを活用した「真空バルブ・遮断器工場」を竣工した。「e-F@ctoryコンセプト」を導入し、受注から組み立て、出荷までの生産情報を一元化することで、生産性および品質の改善サイクルを高速化する。
建築面積は1万2935m2、鉄骨S造で地上2階建て。組み立てや試験ライン、設計、工作、品管部門の事務所としての利用を想定している。主な生産品目は、真空バルブと遮断器。同年3月から順次ラインを稼働し、同年7月から本稼働を開始する予定だ。
今回同社では、敷地内に分散していた真空バルブ生産工場と遮断器組み立て工場を集約。一部に自動組み立て試験装置を導入し、部品製造から組み立ておよび出荷まで一貫した製造ラインを構築する。また、スマート中低圧直流配電ネットワークシステムと同社製の省エネ機器を導入し、消費エネルギーを削減する。
真空バルブ・遮断器は、再生エネルギー関連設備の導入や電力、鉄道、工場での既設配電設備の更新などにより、国内外において中長期的に需要拡大が見込まれている。同社は、新工場の稼働により生産能力の確保と製品競争力の強化を図り、さらなるシェアの拡大を見込む。海外での新規市場開拓を進め、2025年までに、真空バルブ単品と遮断器の売上高で120億円以上を目指すとしている。
「真空バルブ・遮断器新工場」外観(クリックで拡大) 出典:三菱電機
- AIでエッジをリッチに、元祖スマートファクトリー「e-F@ctory」の進化
三菱電機は「SCF2017/計測展2017 TOKYO」において、工場内制御をエッジコンピューティングで高度化する製品群を訴求。進化する「e-F@ctory」の姿をアピールした。
- 三菱電機が第4次産業革命で変えること、変えないこと
IoTがもたらす革新は、製造業にどういう影響をもたらすのだろうか。FA大手の三菱電機は、IoTによる製造現場の革新に危機感を持って立ち向かう。三菱電機 執行役員で、FAシステム事業本部 e-F@ctory戦略プロジェクトグループ プロジェクトマネージャーの山本雅之氏に話を聞いた。
- スマートファクトリーはエッジリッチが鮮明化、カギは「意味あるデータ」
2017年はスマートファクトリー化への取り組みが大きく加速し、実導入レベルでの動きが大きく広がった1年となった。現実的な運用と成果を考えた際にあらためて注目されたのが「エッジリッチ」「エッジヘビー」の重要性である。2018年はAIを含めたエッジ領域の強化がさらに進む見込みだ。
- スマートファクトリーがいよいよ現実解へ、期待される「見える化」の先
ドイツのインダストリー4.0がきっかけとなり関心が高まった、IoTを活用したスマートファクトリー化への動きだが、2017年は現実的成果が期待される1年となりそうだ。既に多くの実証成果が発表されているが、2017年は、実導入ベースでの成功事例が生まれることが期待される。
- ドイツが描く第4次産業革命「インダストリー4.0」とは?【前編】
「インダストリー4.0(Industrie 4.0)」という言葉をご存じだろうか? 「インダストリー4.0」は、ドイツ政府が産官学の総力を結集しモノづくりの高度化を目指す戦略的プロジェクトだ。インダストリー4.0とは何なのか。同プロジェクトに参画するドイツBeckhoff Automationグループに所属する筆者が解説する。
- インダストリー4.0の地味化はいい傾向?悪い傾向?
製造業の産業構造を大きく変えるといわれている「第4次産業革命」。本連載では、第4次産業革命で起きていることや、必要となることについてお伝えしています。第13回となる今回は、2017年4月に開催されたドイツの「ハノーバーメッセ 2017」で見えた傾向についてまとめます。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.