三菱電機は「SCF2017/計測展2017 TOKYO」において、工場内制御をエッジコンピューティングで高度化する製品群を訴求。進化する「e-F@ctory」の姿をアピールした。
三菱電機は「SCF2017/計測展2017 TOKYO」(2017年11月29日〜12月1日、東京ビッグサイト)において、強化したエッジコンピューティング製品を中心に、同社のスマート工場ソリューション「e-F@ctory」の価値向上をアピールした。
三菱電機では、2003年から現場起点の情報を取得して生産性やコストの改善につなげるコンセプトの「e-F@ctory」を展開。工場内で現場の情報とICTを結ぶという仕組みで、スマート工場の実現に向けては、さまざまな外部からの影響を受けつつマイナーチェンジを繰り返しながら、基本的にはこの「e-F@ctory」を拡大するという方針で進めている(※)。
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ここ最近の取り組みの中で強化しているのが、エッジコンピューティング層の強化である。エッジコンピューティングとはセンサー情報などを発信する現場と、データを収納したり分析したりするITシステムとの間に設置する情報処理層だ。センサーなどのデータを一時的に選別して簡易処理を行ってからクラウドに送り、さらにリアルタイム性が要求されるようなものに対しては、その場でフィードバックを返すような役割を担う。
三菱電機ではこのエッジコンピューティング層の機器を強化。コンパクトで高効率学習が可能な独自AI(人工知能)技術「Maisart」を搭載したコントローラーなどのデバイス群を拡大する(※)。
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さらに、新たに独自ブランド「MELPC」を掲げた産業用PCなどの展開も2018年春に開始する。その他、データ分析・診断ソフトウェア「リアルタイムデータアナライザ」、SCADAソフトウェア「MC Works64 エッジコンピューティングエディション」なども用意する。これらの機器群はエッジコンピューティング領域のオープンソフトウェアプラットフォーム「Edgecross」に対応するとしている(※)。
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三菱電機 FAシステム事業本部 機器事業部長 三条寛和氏は「2年前までは『つながる』ということを訴求してきたが、SCF2017では『つながる』の先にある実用的で実践的な革新の価値を訴えていく。エッジコンピューティング層の強化が進むことでより実用的な価値を生み出すことができる。未来のモノづくりの在り方を示していきたい」と述べている。
SCF2017ブースでは、これら強化したエッジコンピューティング製品群により現場へのフィードバックを強化。これらの情報をリアルタイムに近い形でMR(Mixed Reality)で表示し、作業員が保守作業を行うようなデモを行った。
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