さよなら123Dでエモい、エヌビディア定規がフィーバーですっごーい!メカ設計 年間ランキング2017(2/3 ページ)

» 2017年12月28日 13時00分 公開
[小林由美MONOist]

第10位から発表していきます!

 2017年のランキングはCADやCAEといったソフト側と併せ、ハード(装置)側の製品のニュース記事も目立ちました。

 第10位にランクインしたのは、「第28回 設計・製造ソリューション展(DMS2017)」(2017年6月21〜23日、東京ビッグサイト)における、カシオ計算機の新技術の展示の記事でした。同社の2.5Dプリントシステムで作った「デジタルシート」の数々を展示していました。シートの表面に凹凸を付けてカラー印刷し、独特の触感を表現しています。2016年の展示では紙のシートだけだったのですが、この年にはPET素材のシートのサンプルも展示しました。

 筆者も「印伝革」を再現した2.5Dプリントのサンプルを見せていただいたことがあります。印伝革の本物が一緒に置いてあったので比べてみたのですが、触り心地も含めて、素人には違いがよく分からず「なにこれ!? すっごーい!」となりました。もちろん、工芸士さんなどのプロから見れば分かるのかもしれませんけどね。

 「CEATEC JAPAN 2017」(2017年10月3〜6日、幕張メッセ)では、2.5Dプリントシステムの実機である「Mofrel(モフレル)」を展示し、大いに注目を集めました(関連記事:カシオの2.5Dプリンタで触感を伴う試作品を手軽に製作 )。Mofrelは、「CEATEC AWARD 2017 イノベーションテクノロジ・ソフトウェア部門グランプリ」「米国メディアパネル・イノベーションアワード Grand Prix」「米国メディアパネル・イノベーションアワード Industrial Design部門賞」のトリプル受賞となりました。同製品を利用することによる想定されるコスト削減とプロセス短縮の効果や、さまざまなシーンでの活用が期待できることなどが評価されたそうですよ。カシオ、すっごーい!

 続く第9位は、マイクロソフトのノートPC「Surface Book」の記事でした!

 3D CADのオペレーションの操作を保証するスペックを備えるSurfaceです。デスクトップ型のワークステーションで動かすのが当たり前だった3D CADですが、ノート型ワークステーションで使うケースも増えてきました。さらにSurfaceは筐体の形状自体はノートというよりタブレットに近くて、とても薄いので、社外での設計作業が発生する人にとってはありがたいですね。このように、CADを動かすマシンの進化や、VDI(仮想デスクトップ)といったソフトウェア側の技術の進歩により、メカ設計者の働き方も少しずつ多様化してくるのではないかと思います。

 第8位は、飯沼ゲージ製作所の3D設計推進者、土橋美博さんによる連載「3D設計推進者の眼」からランクインしました。

 3D設計推進、というかIT導入や業務改革の現場では必ずと言っていいほど悩まされる「抵抗勢力」に関するお話でした。この記事、なかなか生々しい内容です。Yes But話法まで使って、気を使いながらベテランさんを相手にヒーヒー言っている土橋さんの姿が目に浮かぶようです。読者さんからは、「私も!」「あるある!」といった感じで共感がたくさん集まったようで、土橋さん自身にも直接、感想が寄せられたとのことでした。

 第7位は、MONOistの開設10周年特集からのランクインです。2017年8月1日で、MONOistが開設10周年を迎えています。

 CAD/CAM/CAE、EDA、PLMなどのマーケティングリサーチにかかわるアナリストの庄司孝さんに寄稿していただきました。

 記事のタイトルにもある通り、CAD/PLMベンダーについては企業買収が活発な10年で、業界マップも大きく変化しました。MONOistを開設して間もないころには、PTCがコクリエイト・ソフトウェアを買収しています。今ではダイレクトモデリングが身近になりましたが、当時はコクリエイトくらいしかありませんでした。昔ながらのパラメトリックモデリングのPTCが、それとは全く異なる技術を持つコクリエイトを買収し、とても驚いたと共に、「うわ、もしやPro/Eにこれが実装されてしまうのか!」と妙にワクワクしたものです。その後、「Pro/ENGINEER」の名称も「Creo」になってしまいましたが。

 第6位は、再び土橋さん「3D設計推進者の眼」からのランクインです!

 2017年2月にアメリカで開催した「SOLIDWORKS WORLD(SWW) 2017」に参加した土橋さんが、そこで見聞きしたSOLIDWORKSの新技術について説明しています。パラメータ最適化にも併せて触れ、トポロジー最適化は同じ最適化でも違うよね、といった話をしています。また、土橋さんとしては、トポロジー最適化の前に、パラメータ最適化の方を確立したいとも述べていました。トポロジー最適化を設計現場で実際にどう活用したらいいのか、土橋さんとしては、まだ模索中な部分があるようです。

 メッシュレスCAEの「SIMSOLID」はSOLIDWORKSにプラグインできるパートナー製品です。土橋さんが無償トライアル版を試して、「なかなか面白い製品ではないのかな」という感想を述べています。「メッシュレス」の文字通りメッシュがないのですが、有限要素法の一種だそうです。手順としては、STLを取り込んで、材料や荷重など境界条件を設定して、「Solve」になります。

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