ISO 26262をはじめとするQNXが長年積み重ねてきたミッションクリティカル分野向けの安全に関わる機能の他に、自動車分野で求められているのがカリミ氏が冒頭に挙げたセキュリティである。同氏は「自動運転車やコネクテッドカーでは車両全体がサイバー攻撃にさらされる。最もリスクが大きい場所はコックピットであり、その最大の要因はオープンソースソフトウェアの脆弱性だ」と指摘する。
カリミ氏はNIST(米国国立標準技術研究所)の資料を基に、車載情報機器への採用が始まっているAndroidや車載Linuxである「Automotive Grade Linux(AGL)」は脆弱性が多数ある一方で、QNXの脆弱性は桁違いに少ないことを強調した。「2016年時点でQNXに発見された脆弱性は1個だけだったが、Androidは611個もあった。AGLは240個以上の脆弱性があり、そのうち170個がクリティカルなものだった。AGLを採用していると発表することは、ハッカーに狙ってくれと言っているようなものだ」(同氏)。
ウォール氏は「ECUの統合や自動運転技術に対応した車載ソフトウェア、ライフサイクル管理を含めた車載セキュリティなど、これほど包括的にソリューションを提供できるのはブラックベリーとQNXだけだ。フォード(Ford Motor)やデルファイ(Delphi)といった大手企業の採用事例もある。日本市場では、顧客やルネサス エレクトロニクスをはじめとするパートナーと連携して、ミッションクリティカルなアプリケーションの安全とセキュリティを実現するエコシステムを構築していく。そして、2020年をめどとした自動運転技術の導入に貢献していきたい」と述べている。
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