「計画外のダウンタイムをゼロに」GEとサービスマックスの統合が生む価値 : サービタイゼーション (2/2 ページ)
GEのビル・ルー氏
講演の後半は、ヤーノルド氏とGEのビル・ルー氏による対談に移行した。
まずルー氏は「アセットとサービスの最適化から生産性向上ができれば、そこから新たな成長を生み出すデジタル革新も見えてくる。デジタル革新の世界はあたかもスタートアップだけのもののように語られることがあるが、既存企業も享受できる。GEデジタルは既存企業と一緒に頑張りたい」と述べる。
ヤーノルド氏から「なぜサービスマックスを買収したのか」と問われたルー氏は「GEは機械の最適化から始めたが、機械を管理する人の最適化も必要なことが分かってきた。そこでサービスマックスを採用したわけだが、GEが新たな事業展開を進めていく中でサービスオートメーションが必要になると考え、No.1企業であるサービスマックスを買収することにした」と答えた。
そしてAPMとFSMの統合については「まずはGE自身による活用を進め、その中でさまざまな産業別の最適化も検討していく。その後、顧客向けに展開し、最終的には世界のためになるようなソリューションにしていく。機械を効率化するAPM、人を効率化するFSM、これらをプラットフォームの『Predix』でつなげることになる」(ルー氏)とした。
なお、サービスマックスはセールスフォース(Salesforce.com)のクラウドプラットフォーム「Force.com」上で動作しているが、サービスマックスを買収したGEはPredixをマイクロソフト(Microsoft)のクラウドプラットフォーム「Azure」で展開している。ASMとFSMを統合していく中で、クラウドプラットフォームの統合も課題になる可能性がある。これについてルー氏は「既存のサービスマックスのユーザーに影響はない。Predixはオープン戦略をとっており、Predixとサービスマックスをつなげるのに問題はない。あとは顧客の要望次第だ」と述べている。
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