村田製作所がマイクロ一次電池事業をマクセルに譲渡、円筒形二次電池に集中 : 製造マネジメントニュース
村田製作所が、マイクロ一次電池事業をマクセルに譲渡する。コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池、アルカリボタン電池などが同事業に含まれる。村田製作所は今後、円筒形リチウムイオン二次電池事業に注力する方針だ。
村田製作所は2025年6月16日、マイクロ一次電池事業をマクセルに譲渡することを決議し、同社と株式譲渡契約を締結したと発表した。コイン形二酸化マンガンリチウム電池、酸化銀電池、アルカリボタン電池などが同事業に含まれる。2025年度内にクロージングする予定だ。
村田製作所と完全子会社である東北村田製作所が事業展開してきたマイクロ一次電池事業は、2017年にソニーから譲受した電池事業に含まれていた。マイクロ一次電池事業を発展させるには、マクセルへの事業承継が最善であると判断。事業の譲渡を決定したと説明している。
事業譲渡にあたっては、村田製作所と東北村田製作所を分割会社とする吸収分割によって、村田製作所が新たに設立する100%子会社に事業を承継する。その後、その子会社の株式100%をマクセルが取得することで事業を譲渡する。
村田製作所と東北村田製作所は今後、円筒形リチウムイオン二次電池事業に経営資源を配分する。パワーツール市場と電力貯蔵システム(ESS)市場での競争優位性を高め、事業拡大を目指す方針だ。
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ソニーが村田製作所に電池事業を売却――一般消費者向け製品は維持
ソニーと村田製作所は、ソニーグループの電池事業を村田製作所グループが譲り受けることで意向確認書を締結した。ソニーの電池事業は、リチウムイオン二次電池を世界で初めて商用化したことで知られるが、ここ数年は構造改革が求められる状況にあった。
村田製作所は全固体電池を2020年度中に量産へ、リチウムイオン電池も高出力化
村田製作所はオンライン展示会「CEATEC 2020 ONLINE」に出展する電池関連製品について説明。全固体電池は開発が順調に進んでおり、2020年度中(2021年3月まで)の量産開始という当初計画に変更はない。また、円筒型リチウムイオン電池については、50〜60Aの大電流出力が可能な製品を開発しており2022年4月に投入する計画である。
村田製作所とソニーの技術を融合、容量25mAhの全固体電池として昇華
村田製作所は、「CEATEC 2019」において、「業界最高水準の電池容量を持つ」(同社)とする全固体電池を披露。これまで製品化されている全固体電池の電流容量は1mAh以下のものが多いが、同社は最大で25mAhの電流容量を持つ製品の開発に成功。2020年度中の製品出荷を目指している。
村田製作所が工場に大規模蓄電池システムを導入、「自家消費型」再エネに本腰
村田製作所は、太陽光発電システムや同社製のリチウムイオン電池を用いた蓄電池システムを大規模に導入した生産子会社の金津村田製作所(福井県あわら市)を報道陣に公開。工場建屋や駐車場の屋根部にパネルを設置した太陽光発電システムの発電能力は638kW、北陸最大規模とする蓄電池システムの容量は913kWhに達する。
日立は車載リチウムイオン電池も諦める、官民ファンドとマクセルに売却
日立製作所、100%子会社で車載リチウムイオン電池事業を担う日立ビークルエナジーの資本関係を再編し、官民ファンドのINCJとマクセルホールディングスとの共同出資体制に移行することで合意したと発表した。
電池メーカーなど28社が「電池サプライチェーン協議会」、日本の国際競争力を強化
電池メーカーや素材メーカーなど28社は2021年3月8日、「電池サプライチェーン協議会(Battery Association for Supply Chain、BASC)」を同年4月1日付で設立すると発表した。材料や原料を含めた電池のサプライチェーンにおいて健全な発展と国際競争力の強化を図る。会長には、住友金属鉱山 執行役員 電池材料事業本部長の阿部功氏が就任する。
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