GEとNECは産業用IoTにおいて包括的な提携を結ぶことを発表した。GEが推進する産業用IoTプラットフォーム「Predix」を共同で展開し、産業用IoTの活用を広げていく。
NECとGEのソフトウェア子会社であるGEデジタルは2016年10月26日、産業用IoT(モノのインターネット)分野において包括的提携の締結を行ったことを発表した。
GEは航空機エンジンや発電設備などの産業用機器のメーカーでありながら、いち早くICT(情報通信技術)を組み合わせた新たなサービスビジネスモデルを展開。「インダストリアルインターネット」として自社製品を通じてIoTによる得られたデータを基軸にした新たなサービスビジネスモデルの展開を推進している。
「インダストリアルインターネット」では、ジェットエンジンやガスタービンなどにデータを発信する仕組みを組み込み、それらのデータをインターネットを介して、GEが独自で運営するデータセンターに蓄積する。この膨大なデータを分析し活用することで顧客にもっと付加価値を提供する。機器の計画外停止の予防や、整備が必要な時期の予測によるメンテナンスのコスト低減など、解析をして有効活用することで顧客に新たな価値を提供することに取り組んでいる※)。
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GEでは、これらを実現するためにソフトウェア部門の強化を推進。この流れで生まれたのが「GEデジタル」である。GEデジタルとは、GEの全社で横断的に点在していたデジタル関連機能を1つに集約した新組織だ。GEソフトウェアセンター、グローバルIT部門、各事業のソフトウェアチームと、2014年に買収したWurldtech(ワールドテック)のインダストリアル・セキュリティ部門が統合されて生まれている。
これらのITの力を加えて、基盤技術として開発したのが、インダストリアルインターネットのプラットフォーム「Predix」である。Predixは産業用機器においてデータを取得する一種のOSのようなものであり、導入することで産業用機器におけるデータ活用が容易になるという利点がある。GEでは、これらのデジタルトランスフォーメーション(デジタル化)を、まず「GE for GE」として自社内に展開。そして効果が得られたものを「GE for Customers」として顧客に展開し、そしてその後「GE for World」として、産業プラットフォームとして広げていく戦略を示している。
GEデジタル チャネルアライアンスビジネス開発 ベンチャー担当 グローバル責任者 デンジル・サミュエルズ(Denzil Samuels)氏は「産業界において1991〜2010年にかけては生産性が4%改善しており従来の領域でも十分な成長を遂げることができた。しかし、2011〜2015年は生産性改善は1%にとどまり、十分な成長が望めない環境になってきた。産業分野において1%の生産性改善は1兆ドル以上の価値を生み出す。こうしたことから、デジタル化へと事業転換した」と述べる。
さらに「GEではこうしたデジタル化の価値を自社内にも展開しているが、デジタル化により20%の生産性が改善できたケースもある。これは単純な進化ではなく、革命だといえる。GEのこうした成果をまずは自社内で証明しそれを外部に展開することで、ユーザー企業はデジタル化の成果をより容易に早く得ることができる」(GEデジタル サミュエルズ氏)と述べている。
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