日本オラクルが開催したユーザーイベント「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」にGEデジタルが登壇。GEが進める「Brilliant Factoryプロジェクト」の概要と、同プロジェクトから部分的に切り出して外販する「Brilliant Manufacturing」について紹介した。
日本オラクルが開催したユーザーイベント「Oracle Cloud Days Tokyo 2016」(2016年10月25〜26日)に、GE Digital(以下、GEデジタル)リージョナルマネージャーの沢近房雄氏が登壇。GEが取り組んでいる製造革新プロジェクト「Brilliant Factory(ブリリアントファクトリー)」への取り組みを紹介した。
GEが推進する「ブリリアントファクトリー」は、最先端技術を活用し、リアルタイムなデータ活用による最適な工場運営の実現を目指すもの。同社が推進する「インダストリアルインターネット」による機器レベルでの遠隔監視や制御、予防保全などの仕組みを、工場レベルで実現することを目指したGE社内のプロジェクトである。
そもそもGEは「産業企業だと思って眠ったら、朝起きた時にはデータと分析の会社になっていた」という会長兼CEOのジェフ・イメルト(Jeff Immelt)氏の言葉の通り、産業メーカーとしての立場におけるOT(制御技術)を生かしつつ、IT(情報技術)を組み込んだデータ分析による新たなビジネスを展開していることで有名である※)。
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これらに象徴されるように同社では「インダストリアルインターネット」や、それを実現可能とする産業用IoT(モノのインターネット)プラットフォーム「Predix」などを開発し、取り組みを進めてきた。「ブリリアントファクトリー」は、これらの技術をGE社内に展開し、生産性の抜本的向上を実現するというものである。
GEが取り組む「ブリリアントファクトリー」では、IoTやデータ分析などを活用することにより、全世界400拠点に及ぶGEの工場の製造に関するコストを20%低減することを目指すものだ。データを活用した工場操業に関する知見や手法の共有や高度化、制御システムとセンサー技術の開発と活用、ITソフトウェアの開発と活用、事業に応じたカスタム化などを行っている。
「ブリリアントファクトリー」を実現する考え方の1つが「デジタルスレッド」である。デジタルスレッドとは、データやプロセスの処理の流れをデジタル化し、ネットワークなどを通じて一貫した情報の流れを実現する仕組みのことだ。設計現場から生産現場、サプライチェーンまで一貫した情報の流れを作ることで、デジタル基盤上に新たなモノづくりのプラットフォームを作り出せるようになる。
GEデジタルの沢近氏は「GEはほぼ100%インダストリアルカンパニーだといえるが製造業としての成長率が低下し、今後モノを作るだけでは成長できないと考え、デジタルインダストリアルカンパニーへと変化しようとしている。これを自社内で実践した取り組みが『ブリリアントファクトリー』であるといえる」と述べている。
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