九州大学とKFTは、冷暖房時に生じる風が脳活動に及ぼす影響を明らかにした。風の有無による脳波/心理時間/皮膚温度などの違いを計測・解析した結果、風が無い方が脳波の振幅が低く、平穏状態を示していることが分かった。
九州大学は2017年9月14日、KFTとの共同研究で、冷暖房時に生じる風が脳活動に及ぼす影響を明らかにしたと発表した。成果は同日、英科学誌「Scientific Reports」に掲載された。
同研究では、風の有無で脳活動がどのように変化するかを調査。同じモデルルームを使用し、風の出る一般的なエアコンと風の出ない放射式冷暖房の2種類を切り替えて、脳波/心理時間/皮膚温度などがどのように異なるかを計測・解析した。実験は、夏の冷房環境と冬の暖房環境のそれぞれで実施した。
その結果、冷房/暖房のどちらも、風が無い方が脳波のガンマ波、ベータ波の振幅が低くなり、時間の経過をより早く感じることが分かった。高いガンマ波は強い不安状態を反映しているという報告結果があるため、冷暖房下では風が無い方が平穏な状態でいられることを示唆するとしている。
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