Volkswagen(VW)は「フランクフルトモーターショー2017」(プレスデー:9月12〜13日、一般公開日:9月16〜24日)において、モビリティサービスのデジタルプラットフォーム「Volkswagen We(以下、We)」を発表した。
Volkswagen(VW)は「フランクフルトモーターショー2017」(プレスデー:9月12〜13日、一般公開日:9月16〜24日)において、モビリティサービスのデジタルプラットフォーム「Volkswagen We(以下、We)」を発表した。
既に量産車に搭載している「Car-Net」の他、ドイツで提供を開始した駐車料金決済機能やクルマの荷室を宅配便の配送先に指定するサービスなどをプラットフォーム上に集約し、1つのユーザーIDで利用可能にする。また、車両整備に用いるOBDインタフェースに後付けで接続するモジュールを通じて、2008年以降に生産されたモデルにもコネクテッド機能の一部を搭載していく。
ユーザー数は2025年時点で8000万人を見込む。
Car-Netは日本でも提供されているサービスで260万台に標準装備で搭載されている。オンラインの交通情報の配信や、「MirrorLink」「Android Auto」「CarPlay」などを通じたスマートフォンとの連携などに対応している。緊急通報サービスや事故の通知、故障の連絡といった機能の他、車両の施錠状態やライトの消灯も確認できる。オンライン盗難防止アラームも機能に含まれる。電気自動車やプラグインハイブリッド車では、スマートフォンから充電開始やヒーターの起動の操作も可能だ。
Weに統合するサービスのうち、既に幾つかは提供が始まっている。
駐車料金の決済を行う「We Park」は、位置情報を基に現在地周辺の駐車料金を提示するもの。アプリ経由で駐車料金の支払いが完了でき、駐車可能時間の終了が近づいていることもアプリから通知できる。このサービスは2017年春にベルリンで導入されて以降、ドイツ国内で利用可能な都市が拡大している。駐車料金の15%がサービス料として発生し毎月引き落とされる。
クルマの荷室を宅配便の配送先に指定する「We Deliver」は、2017年9月から2018年4月までの期間でパートナー企業とともにトライアルを実施中だ。21歳以上で免許取得後1年が経過したベルリン市民は、Webサイトから申し込むと専用のシステムを装備した「ポロ」が無償貸与された上で同サービスを体験できる。
We Deliverはユーザーが注文時に配達時間帯を指定し、配送業者はモバイルデバイスで荷室を開ける権限を1回だけ与えられて、配達や返品、集荷を行うというもの。届け先の車両の位置はGPSで特定する。トライアル中に対応しているのはAmazon、AllyouneedfreshOutfittery、Alternate、Fashion ID、Music Storeに限定されているという。
新型車だけでなく旧モデルにもコネクテッド機能を持たせる「VW Connect」も既に欧州の一部地域で提供が始まっている。ドイツでは2018年半ばに導入を予定する。
VW Connectはアプリを通じて車両情報にアクセス可能にするもので、OBDインタフェースに専用のモジュール「DataPlug」を接続して利用する。次回の点検整備の予定や燃料の残量、運転状況、燃費、走行履歴などをアプリから参照することができる。突然走行不能になった場合や事故が発生した時にサービスと通話する機能も利用可能だ。
VWは、IBMと協力してドライバーにお得な情報やお勧めの商品を配信する「We Commerce」を開発中だ。例えば燃料の残量があらかじめ登録したレベルを下回った時に、ガソリンスタンドが実施中のキャンペーンを紹介するといったものだ。日付と時刻を分析する機能があり、週末の前にお勧めの商品の情報を提供することもできる。
このサービスを利用するには、ドライバーは特定のデータの利用を許諾する必要がある。その上で、車両情報や利用状況などを分析した結果に基づき、特定のタイミングでドライバーに有利な情報を提供する。ドライバーの好みをよりよく理解する学習機能も搭載する。We Commerceから直接商品を注文することもできるという。
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