トヨタ自動車は、東京都内で会見を開き、同社のコネクテッド戦略を説明。2016年4月に新たに発足したコネクティッドカンパニーのプレジデントを務める専務役員の友山茂樹氏は「IoT時代の新しい製造業の在り方を切り開くため、モビリティサービスのプラットフォーマーになる」と強調した。
トヨタ自動車は2016年11月1日、東京都内で会見を開き、同社のコネクテッド戦略を説明した。同年4月に新たに発足したコネクティッドカンパニーのプレジデントを務める専務役員の友山茂樹氏は「IoT(モノのインターネット)時代の新しい製造業の在り方を切り開くため、モビリティサービスのプラットフォーマーになる」と強調した。
さまざまなモノがインターネットにつながることでIoTの市場拡大が予測されている。その中でも大きく期待されているのが自動車だ。通信機能を持つ「コネクテッドカー」となることで、より高度な自動運転技術や、快適性を高める機能を提供できるようになるといわれている。友山氏は、このコネクテッドカーに加えて、ライドシェアやカーシェアのようなクルマの利用形態の変化、ビッグデータによる新たなサービス/ビジネス創出というトレンドを挙げた上で、「つながるプラットフォームは自動車メーカーとして重要なビジネス基盤になる」と語る。
これまでもトヨタ自動車は、車載通信機「DCM(データコミュニケーションモジュール)」の実用化、マイクロソフト(Microsoft)との提携によるトヨタスマートセンターの構築、テレマティクスサービス「G-Book」「T-Connect」など、さまざまなコネクテッドサービスを展開してきた。カーナビゲーションシステムの国内顧客満足度調査でも、量販ブランドでトヨタが、高級車ブランドでレクサスがトップとなっている。
これらの実績から、本格的なコネクテッドカー時代に向けてさらに展開を加速するべく設立されたのがコネクティッドカンパニーだ(関連記事:トヨタが組織の壁を壊す、9つのカンパニー制へ移行)。従来は分かれていた、戦略企画、車載機開発、インフラ開発などの組織を集約し、コネクテッド商品の開発から、ビジネスイノベーション、新事業確立までを一貫した戦略で推進する体制となった。
友山氏はコネクティッドカンパニーの使命として「コネクテッドでクルマの新しい魅力、新価値を創造」「お客さまの期待を超えるスピードとフットワークでバリューチェーンを拡大し、モビリティ社会の発展に貢献」「新たなる創業と自動車ビジネスの変革を目指す」の3つを挙げた。そして「使命を実現するための戦略は3本の矢から成る」(同氏)とした。
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