熟練技術者の視線を可視化し、教材に活用するVR学習システム製造ITニュース

東洋ビジネスエンジニアリングは、VR学習システム「mcframe MOTION VR-learning」の提供を開始した。ヘッドマウントディスプレイと360度カメラを利用して、仮想空間上に熟練技術者のノウハウを活用した教材を作成し、学習できる。

» 2017年08月23日 09時00分 公開
[MONOist]

 東洋ビジネスエンジニアリングは2017年7月24日、視線追跡機能付きヘッドマウントディスプレイ(HMD)と360度カメラを利用した、VR(仮想現実)学習システム「mcframe MOTION VR-learning」の提供を開始した。価格は1インストール100万円(税別)から。PCやHMD、360度カメラは含まれない。

 同システムは、ユーザー自身が簡単にVR教材を作成できる。教材は、学習すべき作業場所を360度カメラで撮影するだけで、撮影した画像からシステムが仮想空間を自動で生成する。仮想空間の中でHMDを装着した熟練技術者が実作業と同じように動作しながら、確認ポイントを設定する。各ポイントでの確認方法や手順、注意点などに関する指導コメントを必要に応じて追加すれば、教材の作成が完了する。視線の動きを可視化できるため、熟練技術者のノウハウを教材に生かすことができる。

 学習者は、まず熟練技術者の視線の動きをPC画面上で学び、次にHMDを装着して仮想空間に入り、複数のポイントをたどりながら学んだ視線の動きを実践する。指導コメントを隠して演習すれば、習得状況のテストも可能だ。また、教育担当者は学習者の視線の動きを、その順番や所要時間の情報をもとに熟練技術者と比較し、学習成果を評価することができる。

 同システムは、設備の稼働状況や計器のチェックなど必要なポイントを正しく見る作業の学習に適しているほか、熟練技術者の視線を形にすることで、技術伝承にも使える。さらに、工場や発電所、建設現場での点検作業や、航空機や鉄道における安全確認、医療や災害救助現場など、学習用に再現するのが困難な場面が教材として活用可能になる。

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