東京エレクトロンデバイスは、「第6回 IoT/M2M展」において、クラウドベースのIoT向けノンプログラミング開発環境「Connexon(コネクソン)」を展示した。現在、Webサイトで無料トライアルの申し込みを受付中で、同年6月から無料トライアルを開始する。
東京エレクトロンデバイスは、「第6回 IoT/M2M展」(2017年5月10〜12日、東京ビッグサイト)において、クラウドベースのIoT(モノのインターネット)向けノンプログラミング開発環境「Connexon(コネクソン)」を展示した。現在、Webサイトで無料トライアルの申し込みを受付中で、同年6月から無料トライアルを開始する。正式サービスは7月に始める予定だ。
IoTを活用したシステムを実現する上で課題になるのが、末端のIoTデバイスから得たデータをゲートウェイなどを介してクラウドなどに送り、解析した後にIoTデバイスにフィードバックするといった、データの入力から出力までの一連のデータ処理プログラム(データフローアプリケーション)のプログラミングだ。IoTシステムごとに、データの種類、収集方法、処理内容が異なる上に、センサー、ゲートウェイ、クラウドなどの構成要素、OS、開発言語が多岐にわたる。これらをコードベースでプログラミングできる人材は多いとはいえず、多大なリソースを割かなければならないからだ。
コネクソンは、システム環境やデータ処理要件に合わせて、IoTシステムの構築に必要なデータフローアプリケーションを、Web GUIベースの開発環境によってノンプログラミングで開発できるクラウドサービスである。コネクソンで開発したデータフローアプリケーションは、バイナリデータとしてダウンロードし、自社のシステムに自由にインストールできる。このため、より効率的で柔軟なIoTシステムの開発が可能になるという。
各種データ処理に必要となる機能は「DFAコンポーネント」としてあらかじめ用意されている。例えば、ファイルへの出力、ファイルからの読み出し、データのフィルタリング、標準出力、データベースへのインサート、HTTPノード間転送、WebSocket通信、FFT、クラウド連携などだ。これらのDFAコンポーネントを、設計ツールの「DFAエディター」によりマウス操作で接続し、パラメータを設定するだけでデータフローを作成できる。作成したデータフローは「DFAビルダー」によりOS(Windows、Linux)とCPU(x86、ARM)を選んでビルドすればバイナリデータが出力される。
同社によれば、データフローアプリケーションの開発期間とコストを従来比で10分の1、品質を同10倍にできるとしている。
展示では、温度センサーを組み込んだ小型のスターリングエンジンをホットプレートで加熱してから、3軸の加速度センサーユニットの上に置いて、温度センサーと加速度センサーのデータをゲートウェイを介してクラウドに送信し、ウイングアーク1stのクラウドベースBIツール「MotionBoard Cloud」に表示することで故障予測を行うデモンストレーションを披露した。このデモのデータフローアプリケーションは、コネクソンで開発したものだ。
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