オンセミがIBMからミリ波技術を買収、車載向けセンサーと設計拠点を拡充車載半導体

オン・セミコンダクターは、IBMから車載用ミリ波技術を取得した。これにより、オン・セミコンダクターは車載向けのカメラとミリ波レーダーのセンサーフュージョンに対応できるようになる。センサーフュージョンの設計開発拠点を英国に新設することも明らかにした。

» 2017年03月15日 06時00分 公開
[齊藤由希MONOist]

 オン・セミコンダクターは2017年3月6日(現地時間)、IBMから車載用ミリ波技術を取得したと発表した。オン・セミコンダクターは車載カメラに用いるCMOSイメージセンサーで高いシェアを有しており、今回の買収によって車載カメラとミリ波レーダーのセンサーフュージョンに対応できるようになる。センサーフュージョンの設計開発拠点は英国に新設することも同年3月7日(現地時間)に明らかにした。

 先進運転支援システム(ADAS)や自動運転の周辺監視に向けたセンサーフュージョンや、イメージセンサーを活用した新しいアプリケーションの拡大に対応していく。

センサーフュージョンを強化

 IBMはイスラエルのハイファ研究所でSiGe(シリコンゲルマニウム)プロセスやSi(シリコン)プロセスのミリ波レーダーを開発していた。70〜80GHz帯向けで、欧州のETSI規格に準拠している。

 今回の買収の結果、IBMハイファ研究所のスタッフや機器、研究施設、知的財産を引き継ぐ。オン・セミコンダクターのイメージセンサーグループ 車載ソリューション部門にはイスラエルの開発拠点が新しく加わる。イスラエルの拠点は新設する英国のセンサー設計拠点と連携し、高度な自動運転に向けたセンサーフュージョンソリューションを提供していく。

 オン・セミコンダクターのセンサー設計開発拠点は米国、英国、日本、インド、イスラエルに拡大する。オン・セミコンダクターは、ADASや周辺監視システムの装着率増加に加えて、ドライバー監視、電子ミラーといったイメージセンサーの新しいアプリケーションが急拡大するとしており、これに向けて設計開発能力を強化していく。

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