アナログ・デバイセズは、28nmプロセスを採用したCMOSベースの77GHz帯ミリ波レーダーを使った自動運転向けプラットフォーム「Drive360」を発表した。
アナログ・デバイセズは2017年2月21日(現地時間)、28nmプロセスを採用したCMOSベースの77GHz帯ミリ波レーダーを使った自動運転向けプラットフォーム「Drive360」を発表した。
Drive360は、同社が持つ先進運転支援システム(ADAS)関連のMEMSセンサー、レーダー技術のポートフォリオを統合したもの。28nmプロセスを採用した車載用レーダー技術は「世界初」(アナログ・デバイセズ)で、SiGe(シリコンゲルマニウム)プロセスよりも検知性能を向上できるとしている。より遠距離での物体検知が実現すれば、自動運転システムは余裕を持って回避行動を取れる。CMOSプロセスはSiGeプロセスと比較してコストと消費電力の低減も見込まれる。
Drive360は自動運転システムやADASに求められるさまざまなアプリケーションをサポートしており、短・中距離での自動ブレーキ、死角の検出、後方を横切る車両などを警告するクロストラフィックアラート、自動駐車などに対応する。また、高度な信号処理の統合オプションがあり、カスタムによるIPの搭載も可能になるため、差別化された優位性のある製品設計ができるようになるという。
これにより、自動車メーカーやサプライヤの製品開発の基盤となり、開発期間の短縮やコスト削減に貢献するとしている。次世代の自動運転レベルの性能を実現しつつ、世代の異なる自動運転システムに単一のプラットフォームで対応できるよう、アプリケーションの柔軟性とスケーラビリティを確保した。
77GHz車載ミリ波レーダーには、SiGeプロセスが採用されるようになり、かつては価格が数十万円だったミリ波レーダーを使う運転支援システムが、今や10万円以下になるなど低コスト化が進んだ。CMOSプロセスは低周波領域でのノイズ低減が課題で現状では実用化されていなかった。
Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.