マツダは「スーパー耐久シリーズ2026第3戦」で実施した車載CO2回収装置「Mazda Mobile Carbon Capture」の実証実験において、走行中のCO2の吸着に加えて貯蔵にも成功したと発表した。CO2回収量は、吸着だけを行った前回の実証実験と比べて約10倍となる804gに達したという。
マツダは2026年6月8日、同月5〜7日に富士スピードウェイ(静岡県小山町)で開催された「スーパー耐久シリーズ2026第3戦」で実施した車載CO2回収装置「Mazda Mobile Carbon Capture(マツダ モバイル カーボン キャプチャー)」の実証実験において、走行中のCO2の吸着に加えて貯蔵に成功したと発表した。CO2回収量は、吸着だけを行った前回の実証実験と比べて約10倍となる804gに達したという。
今回の実証実験では、レース車両「MAZDA SPIRIT RACING 3 Future concept(55号車)」にCO2吸着器の脱離機能と貯蔵用のCO2タンクを追加し、欧州で実用化されているカーボンニュートラル燃料「バイオディーゼル燃料(HVO)」を使用して走行した。レース車両に搭載した装置は、除湿器、吸着と脱離の機能の両方を備えるCO2吸着器、脱離したCO2を貯蔵するCO2タンクから構成されている。
吸着剤には、2025年11月の「スーパー耐久シリーズ第7戦」における前回の実証実験に引き続き多孔質構造を持つゼオライトを採用した。今回は、加熱するとCO2を脱離しやすくなるというゼオライトの性質を基に、吸着したCO2を走行中の排気温を用いて脱離させ、電動コンプレッサーで掃気することでCO2タンクに貯蔵するという一連のCO2回収プロセスの実証にマツダとして初めて成功した。このプロセスを、スーパー耐久シリーズの24時間レース中に繰り返した結果、合計804gのCO2を回収した。これは、前回の84gと比べて約9.6倍であり、マツダは大きな前進を果たしたとしている。
また、CO2貯蔵の実験に加えて、HVOによるCO2削減効果と装置によるCO2回収量の合計が、マツダ市販車の一般的な利用を想定した回収目標値を上回る状態を一時的に作り出すことができたという。これは、自動車の走行によって排出するCO2の量よりも、大気中から吸収するCO2の量が上回るカーボンネガティブとなり得る可能性を示している。
マツダは、今回の成果を起点に、より高負荷かつ厳しい条件下にあるレーシングカーでのカーボンネガティブを実現する、新たな段階の挑戦を開始する方針である。具体的な目標としては、2026年11月に富士スピードウェイで開催される「スーパー耐久シリーズ第7戦」で、レーシングカーにおける短時間のカーボンネガティブの達成を掲げる。
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