狭小な駐車場に、シャープがポールカメラ式製品発表 市場シェア10%目指すモビリティサービス(1/2 ページ)

シャープは、コインパーキング向け新製品としてポールカメラ方式のセンサーユニットを開発し、2026年9月に受注を開始する。1本のポールで2車室を管理できる。2031年までに駐車場システム累計1万カ所への納入を目指す。

» 2026年08月03日 07時30分 公開
[安藤照乃MONOist]

 シャープは2026年7月31日、大阪市の本社とオンラインで会見を開き、駐車場向けソリューションに関する発表会を開催した。コインパーキングシステム用の新製品となるポールカメラを発表し、受注を同年9月上旬に開始する。今後の事業目標として、2031年までに駐車場システム全体で累計1万カ所へ納入、コインパーキング市場において10%のシェア獲得を目指す。

日本のパーキングは中小規模が9割、近年は横ばいに推移

 日本国内のコインパーキング数は、過去20年間で大きく増加した一方、2020年以降は9万カ所前後で横ばいに推移している。また、駐車場面積が500m2未満の駐車場が全体の9割を占めており、中小規模の駐車場が市場の大半を形成していることが分かる。

コインパーキング市場の推移 コインパーキング市場の推移[クリックで拡大] 出所:シャープ
ロック板レス式駐車場の台頭 ロック板レス式駐車場の台頭[クリックで拡大] 出所:シャープ
シャープの畑直行氏 シャープの畑直行氏

 シャープ スマートビジネスソリューション事業本部 ワークプレイスイノベーション事業部 副事業部長の畑直行氏は、「こうした市場の成熟に伴い、各事業者の競争の軸は、『駐車場の新設』から『運営の効率化』へとシフトしている」と指摘する。そのため、機器の設置コストや維持コストを抑えることができ、発券機の手間や車両の入出庫に伴うトラブルを減らせるロック板レス式やゲートレス式の駐車場が増加しているという。一方で、「こうした方式は物理的な装置に頼らずに車両を管理するため、高精度な駐車判定を支える技術の重要性が高まっている」(畑氏)と説明する。

 シャープは2021年にコインパーキング市場へ参入した。畑氏は、シャープのコインパーキング事業の強みを「ガソリンスタンド向けの精算機や監視カメラといったハードウェア、クラウド管理システムのソフトウェア、画像認識のテクノロジーのノウハウを自社で保有している。全国のサービス網を活用し、機器の導入から運用保守までをワンストップで提供できる」と説明する。

シャープの駐車場ソリューション シャープの駐車場ソリューション[クリックで拡大] 出所:シャープ

 同社はこれまで、中小規模の駐車場向けに車室ごとのセンサーとネットワークカメラを組み合わせた在車センサー方式や、大規模な駐車場向けには出入り口のカメラで車両を認識するゲートレス車番認識方式を展開してきた。

 しかし、これらの既存システムには導入環境に応じた課題があった。狭小な駐車場ではネットワークカメラを設置するスペースを確保できず、駐車場のレイアウトによってはカメラに死角が生じてしまう。また、降雪地域では積雪によって地面に設置した在車センサーが車両を検知しにくくなり、設備自体が除雪作業の妨げになるという問題があった。

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