原価企画にIoTを活用する効果は次の通りです。
原価企画データベースや実績原単位の把握と活用により、自社の実力を加味した精度の高い見積ができ、適正な利益確保が可能になります。
原価企画データベースの活用により、顧客からの短期間での要求に応えることが可能となり、顧客満足度の向上と受注確率向上による売上増加につなげます。
検査工程の自働化により不具合箇所の要因特定と上流工程(設計、生産技術)の連携が円滑になり、改善を迅速に行うことが可能となります。そして改善活動が推進されることにより、製品力強化につながります。
原価企画データベースやクラウドサービスの活用により、各国での見積や実績原価の活用が円滑になり、グローバルでの原価企画管理体制が強化できます。
最後にまとめですが、自動車業界は今までは系列内の取引が中心でしたが、脱『系列』やグローバル化の拡大に伴い、各部門の連携を強化して自社の競争力を定量的に精緻に把握し、高レスポンスな営業力を強化することが重要になっています。そのためには、IoT活用により各部門の情報共有と連携強化を図ることが可能になると捉えております。
これで原価企画におけるIoTの活用についての説明は以上です。次回は部品表構築におけるIoTの活用について説明します。
株式会社アムイ 代表取締役
山田 浩貢(やまだ ひろつぐ)
NTTデータ東海にて1990年代前半より製造業における生産管理パッケージシステムの企画開発・ユーザー適用および大手自動車部品メーカーを中心とした生産系業務改革、
原価企画・原価管理システム構築のプロジェクトマネージメントに従事。2013年に株式会社アムイを設立し大手から中堅中小製造業の業務改革、業務改善に伴うIT推進コンサルティングを手掛けている。「現場目線でのものづくり強化と経営効率向上にITを生かす」活動を展開中。
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