AI・IoTを用いて知的生産性を高める空気・空間を創出製造マネジメントニュース

ダイキン工業とNECは、知的生産性の高い空気・空間を創出するための共同研究に取り組むことで合意した。ダイキン工業の持つ空調技術、空気・空間に関する知見とNECのセンシング技術、AI・IoT技術を活用する。

» 2016年11月10日 09時00分 公開
[MONOist]

 ダイキン工業とNECは2016年10月24日、知的生産性の高い空気・空間を創出するための共同研究に取り組むことで合意した。ダイキン工業の「空気を最適にコントロールする技術」と「空気・空間が人に与える影響に関する知見」をもとに、NECのAI・IoT(モノのインターネット)技術で空調などの設備を制御し、知的生産性を高める空気・空間ソリューションを提供していく。

 今回の共同研究は、2015年にオープンしたダイキン工業の技術開発拠点、テクノロジー・イノベーションセンターにて、実際のオフィスや実験室を活用した実証を通じて進められる。ダイキン工業の温湿度コントロールや気流制御などの空調関連技術、光や音、色などが人にもたらす効果、知的生産性に影響がある因子といった人体情報に関する知見と、NECが持つ顔認証技術、群衆行動解析技術、音声認識技術、振動や匂いなどさまざまなセンシング技術とその分析に基づく最適空間モデリング技術などのAI・IoT技術を活用する。

 まず、空間利用状況のモニタリング情報に基づいて、AI技術で室内の温湿度を学習・予測し、空調や照明などを最適な状態に自動制御して、快適性と省エネ性の両立を図る。さらに、ストレスや心理要素といった人の状態の「見える化」や、個々のオフィスワーカーの血圧や心拍数などのデータを加味した温湿度/照度との相関関係も研究する。

 これらの研究により、個々のオフィスワーカーの業務内容と心身状態にふさわしい環境を構成し、知的生産性を高める空気・空間の創出を目指す。

 近年、オフィスなどでの知的生産性向上に向けてAI・IoT技術を活用したさまざまな研究開発が進められている。しかし、空間や空気の状態と、それらが人に与える影響・因果関係などは不明確な領域も多く、さらなる分析が必要だという。こうした状況を踏まえ、空調機器を中心に空気制御の分野で数多くの技術を持つダイキン工業と、独自のAI・IoT関連技術を持つNECがパートナーとなった。

 両社は、将来的にさまざまなフィールドへの適応を検討するとともに、研究にとどまらず、新たなビジネス展開に向けた連携を拡大していく。

photo オフィスの知的生産性を高める空気・空間のイメージ

Copyright © ITmedia, Inc. All Rights Reserved.