富士通は、AIアバターがPowerPointの資料を読み込み、自動でプレゼンテーションを実施して質疑応答に対応する技術を開発した。設定したAIアバターを介して音声でインタラクティブな質疑応答ができる。
富士通は2025年6月19日、同社のAIサービス「Fujitsu Kozuchi」のコア技術として、AI(人工知能)アバターがプレゼンテーションを実施し、質疑応答に対応する技術を開発したと発表した。
同技術では、AIがMicrosoft PowerPointの資料を読み込み、説明文を自動生成してプレゼンテーションを実施する。さらに、事前に組み込んだ資料から質疑への回答を生成し、設定したAIアバターを介して音声でインタラクティブな質疑応答ができる。
また、富士通は同技術を発展させて、Microsoft 365 Copilotの宣言型エージェントとして利用可能な「Fujitsu AI Auto Presentation」を、ヘッドウォータースと共同開発した。ユーザーはMicrosoft 365 Copilotとチャットで対話しながら、自身の顔や声に似たAIアバターを作成し、プレゼンテーションの説明文を作成できる。
AIアバターは、ユーザー自身の顔画像や映像、発話音声サンプルデータから生成される。スライドの文字数や全体の説明時間を指示することで各スライドの説明時間を決定し、自動的にスライドを切り替えてプレゼンテーションを進める(国際特許出願済み)。
説明内容は音声認識技術、大規模言語モデル、音声合成技術をベースとし、プロンプトを入力することにより、スライド単位で制御できる。自動生成文だけでなく、固定文や指定文の挿入、文体制御など、幅広いカスタマイズが可能だ。
30カ国以上の言語に対応し、日本語で作成したスライドを英語で発表するなど、元の資料で使用されている言語とは異なる言語でのプレゼンテーションも可能だ。また、言語ごとに最適な音声合成モデルを設定できる。
Fujitsu AI Auto Presentationを活用することで、時間や場所、人のスキルといった要素に左右されることなくプレゼンテーションや質疑応答が可能になるため、提供する情報の均一化や業務効率化が期待できる。
同社は今後、社内での実践を経て、2025年度10〜12月期から顧客に対しFujitsu AI Auto Presentationの提供を開始する。
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