「センサーで後側方から車両が接近していることを警告する機能が市場で製品化されているが、スマートルームミラー用のカメラと連携させれば、後方にいることをかなり早い段階で知ることができ、安全性が高められる」(Piersma氏)。
ジェンテックスは、ガレージドアのスイッチや駐車場などでの支払い機能、前方監視用のカメラなど、さまざまな機能をスマートルームミラーの筐体と一体化して納入できるとしている。日本向けにETC車載器を組み込むことも検討している。「ルームミラーの置かれる重要なエリアの扱いを知っているからこそ対応できる」(同氏)。
Piersma氏は、信頼性の確保やカメラの特性を踏まえてスマートルームミラー表示と鏡面の切り替えは不可欠だと説明する。
「カメラの映像は実際よりも物体が近く見える傾向があるので、距離感をつかみたい駐車時には鏡面で確認する方が良い。また、深夜早朝の暗い時間帯や雪の日、濃霧などはカメラが苦手とする状況だ。そういう場合は従来のように鏡面のミラーとして見られるようにしておく必要がある。カメラの破損やソフトウェアの異常に備えたフェイルセーフとしても従来の鏡面のミラーとしての機能はなくてはならない」(同氏)。
サイドミラーを廃してカメラで置き換えるミラーレス化に消極的なのも同じ理由だ。「われわれはミラーは常にあるべきだと考えている。空力のためにサイドミラーを小さくすることはあっても、なくすことは考えにくい。リコールへの備えやコストなど、自動車メーカーにとってもミラーレス車の量産は現実的ではないのではないか」(同氏)。
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