慶應義塾大学は、独自の脳波測定システムを用いることで、清涼飲料水の飲用前後における「気持ち(感性)」の変化をリアルタイムに数値化することに成功した。
慶應義塾大学は2016年9月28日、独自の脳波測定システムを用いることで、清涼飲料水の飲用前後における「気持ち(感性)」の変化をリアルタイムに数値化することに成功したと発表した。同大学理工学部の満倉靖恵准教授らの研究チームとアサヒ飲料の共同研究によるもので、成果は同年5月13日の「第97回パターン計測研究会(計測自動制御学会)」で発表された。
同研究では、満倉准教授と電通サイエンスジャムが共同開発した「感性アナライザ」を活用した。信号処理やパターン認識技術を応用したもので、ヘッドセットを付けて簡易的に計測した脳波を解析し、ストレス/好き/興味/集中などの感性指標を瞬時に評価する。
今回研究チームは、週に1本以上缶コーヒーを飲用する30〜60歳の男性約100人を対象に、飲用前後における脳波データを収集した。感性アナライザを用いて、これをリアルタイムで解析したところ、缶コーヒー飲用後にストレスが有意に低下することを確認できた。
また、試験試料として用いた4種類の缶コーヒーで、ストレス低下の割合が異なることも分かった。
同研究グループは、「気持ち(感性)」は複数の脳波の組み合わせで定義できるという仮説に基づき、1999年から生体信号(脳波)の情報を詳細に分析し、気持ちに結び付ける研究に取り組んできた。今回の研究は、これらの研究成果を基礎としたもので、ストレス社会のソリューションの1つとして、缶コーヒーが機能している可能性を実証したとしている。
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