ロボネコヤマトのコンセプトは「物流と最先端ITとの融合でもっと自由な生活スタイルを実現する」である。
ヤマト運輸執行役員の阿波誠一氏は「宅配のラストワンマイルの時間、場所、方法を自由自在にすれば、自由な生活スタイルにつなげられる。誰もが使いやすい物流プラットフォームによって、新しいビジネスモデルや物流コストの削減が期待できる。そして、自由な生活スタイルと新しいビジネスによって地域社会に貢献できると考えている。これら、生活スタイル、ビジネス、地域社会に変革を与えるのがロボネコヤマトだ」と説明する。
同社が自動運転によって実現できるラストワンマイルのオンデマンド化の可能性は5つある。ロボネコヤマトではこれらのうち「エニータイムデリバリー」をオンデマンド配送サービス、「ショッピングオンデマンド」を買物代行サービスとして実用実験を行う。
どこにいても自宅のように荷物を受け取れる「クラウド1マイル」、ヤマト運輸が岩手県や宮崎県で実証実験を進めている客荷混載を自動運転と組み合わせて広げる「ヒトモノコミューター」、地震などの災害時に必要になる物資をスムースに届ける「ライフサポート」は、2018年以降の検討課題になる。
DeNA 執行役員 オートモーティブ事業部長の中島宏氏は「現時点では、両社で協力してロボネコヤマトに取り組んで行くことを決めた段階。実用実験の詳細が決まれば順次発表していきたい。採用する自動運転技術についても、ロボットタクシーを共同開発しているZMPだけでなく、他の自動車メーカーなどにも声を掛けて行きたい」と話す。
なお、オンデマンド配送サービス、買物代行サービスとも、ロボネコヤマトの配送車後部のドアがスライドし、車両後部にあるロッカーの中からスマートフォンなどを使って荷物を取り出すイメージになっている。「この手法であれば、一部の顧客から要望の出ている非対面での荷物の受け取りが可能になる」(中島氏)という。
ただし、ロボネコヤマトを実施する地域はまだ決まってない。2017年3月の立ち上げではまず1つの地域が対象になる計画だが、都市部と地方で顧客のニーズは大幅に異なるため、各国家戦略特区における宅配サービスの実情を分析しながら、詳細を決めていくとしている。
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