オン・セミコンダクター オートモーティブ フィールドアプリケーションエンジニアリング 部長の佐藤明弘氏は「自動運転の実現に向けてオン・セミコンダクターが果たす役割」と題して講演した。同社は1999年にモトローラから独立した後、イメージセンサー開発を手掛けるAptina ImagingやICチップの製造を手掛ける三洋半導体の他、車載用製品を扱う多数の企業を買収し、主にオートモーティブ分野で大きな存在感を示し続けている。
NXPセミコンダクターズジャパンと同様に、佐藤氏は自動運転のレベルが上がるにつれ必要となるカメラ、センサー類も増加すると述べた。完全自動運転となるレベル5では30個を超えると予測し、それらADAS関連のモジュールの市場は今後飛躍的に拡大するという見通しを示した。
カメラ、センサー類のなかで同社が特に力を入れるのが、イメージセンサーの分野だ。車両の行動を決定するため、物体を検知/認識するという重要な役割をもつイメージセンサーは、今後車内のセンシングにも用いられ、ドライバーの疲労の検知にも活用されることになると見込む。
そのイメージセンサー製品において同氏が強調したのが、LEDフリッカー低減技術の重要性だ。
自動運転では、前走車のウィンカーやテールライト、あるいは信号や電光掲示板など、さまざまなLED表示から情報を得ることが考えられる。しかし、通常のカメラでLEDを撮影すると、高速に点滅しているLEDの性質上、人間が見ている映像とは違った不十分な映像として捉えることがある。そうした現象を解消するのがLEDフリッカー低減技術だ。
また、カメラと一体化した「アダプティブ・ダイナミック・ビームシステム」も紹介した。カメラからの映像を元にLEDヘッドライトを細かく制御することで、前走車や対向車の幻惑を防止する。
同時に、道路標識・歩行者・障害物の視認性を向上させてドライバーの視認性を高めることができる。これを応用することでハイビームを多用でき、夜間走行時の安全性をさらに高めることができることもアピールした。
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