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» 2016年07月11日 10時00分 公開

無償3D CAD「FreeCAD」で板カムの設計に挑戦!無償3D CADレビュー(5/5 ページ)

[伊藤孝宏,MONOist]
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 今度は、カム形状を押し出して立体化します。図10に示すように、WorkbenchをPartに変更します。

図10:カム形状を押し出し加工

 カム形状をマウスで選択し、ツールバー赤い丸で示したアイコン(押し出し)をクリックすると、コンボビューに「押し出し」の設定画面が表示されます。長さに、カムの厚さを入力し、「ソリッド形状」にチェックを入れて、「OK」をクリックすると、図11に示すように、立体化されたカムができあがります。

図11:立体化したカム

 このままでは、使い物にならないため、軸を通す穴と固定するキー溝の加工を行います。一度、モデル欄の「Extrude」の名称を分かりやすい名前に変更し、スペースキーを押して、非表示にします。

 軸を通す穴に相当する円柱と、キー溝に相当する角柱とを作成して、先ほど作成したカムからブーリアン演算で削除します。はじめに、円柱を作成します。図12に示すツールバー赤い丸のアイコン(円柱)をクリックすると円柱ができあがります。

図12:軸穴となる円柱の生成

 プロパティのデータタブをクリックすると、できあがった円柱の半径と高さが表示されています。この値を所望の値に変更すると、ウィンドウに表示された円柱も連動して寸法が変わります。同様にして、図13に示すように、角柱を作成し、プロパティのデータタブから角柱の幅、長さ、高さを所望の値に変更します。

図13:キー溝となる角柱の生成

 今度は、キー溝に相当する位置に角柱を移動・回転させます。プロパティの「Placement」欄の…をクリックすると、図14に示す配置画面がコンボビューに表示されます。

図14:キー溝となる部品の位置調整

 キー溝がカムの上端側(この場合、下向き)になるように、移動量と回転角を設定します。今回は、強度を重視してキー溝を上端側に設けましたが、回転バランスを重視する場合は、キー溝を下端側に設けたほうが重心位置の移動は少なくなります。

 全ての部品がそろったら、軸穴とキー溝をブーリアン演算で加工します。図15に示すように、カム形状を再度表示させ、カムと円柱の順にマウスで選択し、ツールバー赤い丸のアイコン(ブーリアン差分)をクリックすると、円形の穴が開きます。

図15:軸穴とキー溝の加工

 穴開きのカムと角柱の順にマウスで選択し、同様の操作を行うと、キー溝ができあがり、図16に示すように、軸穴とキー溝を持ったカムが完成します。STL形式で出力すれば、3Dプリンタで実体化できます。

図16:完成したカム

 なお、カムの設計は、これ以外にも考慮すべき点が多くあります。今回の説明は、カム設計の概略であり、設計された結果を保証するものではありません。信頼性を要する箇所の設計には専門家への相談が必要なことは言うまでもありません。

 カム形状データと完成したカムのFreeCADファイルは、以下のリンクからダウンロードできます。

参考文献

筆者紹介

伊藤孝宏(いとう・たかひろ)

1960年生。小型モーターメーカーのエンジニア。博士(工学)。専門は流体工学、音・振動工学。現在は、LabVIEWを使って、音不良の計測・診断ソフト、特性自動検査装置などの開発を行っている。



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