無償のCADソフト「FreeCAD」にはFEM解析機能が標準で搭載されていて、モデリングした部品の応力や変形を簡単にシミュレートできる。今回は片持ち梁(かたもちばり)の解析でFEM機能を試してみる。
有限要素法(FEM)による応力解析は、任意形状の部品に加わる応力や変形をシミュレーションできるため、3次元CADの普及とともに急速に普及しました。
かつてFEMソフトは「専門家でないと扱えない」というのが常識でしたが、ソフトウェアの改良とハードウェアの性能向上により、(解析の専門家ではない)設計者でも簡単に使えるものも登場しています。ミッドレンジ3D CAD「SOLIDWORKS」では、オプション機能により、モデリングから応力・変形解析までシームレスに行えます。ですが、そのオプションは高価で、一般の人が気軽に使うというわけにはいきません(関連記事:「えー!? 何で、それできないの?」が解消された「SolidWorks 2014」)。
一方、大学や財団を中心に、無償のソフトウェアが開発・公開されています。しかしながら、有償の製品に比べると使い勝手では及ばないと言わざるを得ないのが現状です(関連記事:フリーソフトだけで構造解析をやってみる(上)・無償ソフトで3次元構造解析をしよう(前編)。
無償でかつ、使いやすいといったものはないのでしょうか? 実は、無償のCADソフト「FreeCAD」にはFEM解析機能が標準で搭載されていて、モデリングした部品の応力や変形を簡単にシミュレートできます。
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図1〜3に、解析例を示します。図1に示すようにCAD画面上で境界条件や物性値、解析条件を設定し、解析を行うと、図2に示す相当応力分布や、図3に示す変位分布が簡単に得られます。マウスでの回転や拡大縮小なども簡単に行えます。
さすがに、境界条件の設定項目や解析結果の表示機能は、市販のFEMソフトには見劣りしますが、無償のソフトでこれらの機能が簡単に行えるのは、驚異的です。
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