今回は、図4に示す片持ち梁(かたもちばり)の変形を解析して、理論解と比較してみます。
片持ち梁の変位は、材料力学の基本的な問題で、最大変位量は下記の式で求められます。
図4に示した寸法とヤング率200Gpaから(1)式で最大変位量を求めると、0.225mmとなります。では、FreeCADで、図4に示す形状をモデリングし、ヤング率を設定して解析を行い、最大変位量を求めてみます。その前に、FreeCADの解析機能の素性について、簡単に説明します。
FreeCADのチュートリアルページを見ると、“Netgen is installed on the system”と、”Calculix is installed on the system”と記載されていて、NetgenとCalculixを使っていることが分かります(NetgenとCalculixはFreeCADのインストール時にインストールされるため、新たにインストールする必要はありません)。Calculixは有限要素法のソフトで、Netgenはメッシュ生成ソフトで、いずれもCAEソフトの中では有名な無償ソフトです。ただ、インタフェースがテキスト入力型であり、設定も複雑であるため、簡単に使えるというものではありません。FreeCADは、機能を限定し、グラフィカルなユーザーインタフェースでFreeCADからCalculixとNetgenを操作することで、使いやすさを実現しているようです(関連リンク:FEM tutorial)。
それでは、FreeCADによるFEM解析に挑戦してみましょう。FreeCADで図4に示す片持ち梁をモデリングします。今回は、インストールやモデリングについての説明は省略します。下記を参考にしてください(関連記事:オープンソースの無償3D CAD「FreeCAD」を使ってみた )。
また、FreeCADのモデルデータをあらかじめ用意したので、このリンクからダウンロードして利用してください。
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