ここではモデリングの失敗原因をもう1段階掘り下げて分析して、その対策(コツ)を考えてみます。ここはなぜなぜ分析の2段目になります。前に紹介した(b1)〜(b9)の全てを深堀りするのは紙面の都合で難しいので、ここではその幾つかを紹介することにします。
(a) 蜘蛛の巣のモデル図を作ってしまった。(b) なぜ?(c) 目的を持たずにとにかく、存在する情報を詰め込んだモデル図にしたら、結果として、蜘蛛の巣のモデル図になってしまった。(d) なぜ、無目的モデリングをしてしまったのか。← 今、ここです。図1 にここまでの流れを示します。なお、図1の右側の人物がだんだんと怒り心頭になり、顔が真っ赤になってきていることに注意してください。
この(d)のなぜ無目的モデリングをしてしまったか原因を考えてみます。その前に(d)と同じ粒度の原因としては、(d') モデリングが儀礼的な作業になってしまっているがあります。これらの(d)と(d')のもう一段階深い原因としては、(e1) モデリングの効果が実感できない、(e2) プログラムの方がいい、(e3) モデリングのコスパが悪いなどが挙げられます。 他にも原因は考えられるでしょうが、ここでは(e1) モデリングの効果が実感できないをなぜなぜ分析のもう一段深い原因として考え、その対策を考えてみます。
これにより(c)の対策である「モデリングは目的を持って実施しなさい」という無味乾燥な対策よりは、開発現場で実際に使える対策が出てくることを期待しましょう。(e1)の「モデリングの効果が実感できない」という原因の対策はずばり「モデリングの成功体験をさせる」ことでしょう。モデリングの結果が成功という成果につながれば、これからもモデリングをし続けることでしょう。どのようにモデリングの成功体験を積ませるかは、後の議論として、モデラーの育成やその教育のところで紹介します。
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